「非ブラック企業認定」は就活に使える?/木暮太一のやさしいニュース解説
12月1日、就活活動が解禁になりました。これから就活生が必死に企業回りを始めることになります。 ただ、ここ数年「ブラック企業」という言葉が“流行”し、学生たちはますますシューカツに向けて不安を募らせているでしょう。
厚労省の「お墨付き」
社員に対し、残業代を払わなかったり、不当にクビにしたりする「ブラック企業」が問題視されるなか、厚生労働省が企業に対し「非ブラック企業」のお墨付きを与える取り組みが始まっています。 今年10月末時点で、この“お墨付き”を得たのは全国約4400社。企業側の関心も高いようです。 ―――「ブラック企業ってどんな企業のことを指すんだっけ?」 ブラック企業かどうかを判断するキーワードは、 1.残業時間、2.有給休暇の実際の取得日数、3.新卒3年後離職率 だそうです。これらの数字が「劣悪」だとブラック企業と定義されるようですね。 ―――「“お墨付き”ってどういうこと?」 厚生労働省は今年4月から「若者応援企業宣言事業」を始めました。これは、 「一定の労務管理の体制が整備されており、若者(35歳未満)を採用・育成のためハローワークに求人を提出し、通常の求人情報よりも詳細な企業情報・採用情報を公表する中小・中堅企業を「若者応援企業」として、積極的にマッチングやPR等を行う事業」(厚生労働省) です。 ―――「なんだかよくわからないけど、つまりどういうことなの?」 国がある基準を設定して、「あなたの会社は、“ブラック企業”ではありませんよ」という認定をします。その認定を受けた企業は、「うちは(厚労省お墨付きの)若者応援企業です!」として自社を宣伝することができるのです。
中小企業にメリットも
特に中小企業にはメリットがありそうです。 この認定企業だけを集めた合同企業説明会があったり、ハローワークで積極的にPRしてもらえたり。大手に比べ応募者が少ない中小企業はメリットがあります。 ―――「なるほど、事業内容ではなく、ブラックかどうかを伝えられるってことだね」 この認定を受けるには、書類を提出し、7つの基準をクリアーする必要があります。大きくまとめると、3つの要素があります。 (1)職場の労働環境を公表すること ・みんなどれくらい残業しているか、を公表する ・どれくらい有給・産休を取っているか、を公表する ・新卒・中途採用者がどれくらい“定着”しているか、を公表するなど (2)悪いことをしていないか ・会社都合でクビにしたり、退職を勧めたりしていないか ・新規の採用内定取消を行っていないか ・労働関係で法律違反をしていないか ・助成金の不支給措置を受けていないか (3)認定に必要な条件を満たしているか ・若者対象の「正社員求人」をハローワークに出しているか ・この「若者応援企業宣言」の事業目的に賛同しているか です。 これらを満たせば「非ブラック企業」ということになるわけですね。