死者数や失業率…「数字には顔と名前がある」 枝野代表「政治の転換」「ゼロ・コロナ」訴え
立憲民主党の枝野幸男代表が次の衆院選での政権交代の決意を語った1月31日の定期党大会。弱者へのしわ寄せが顕著な新型コロナウイルスへの対応を最優先として「ゼロ・コロナ」を打ち出し、自己責任から支え合いの政治への転換を訴えた。 【動画】立憲民主党が党大会 枝野代表「政治の転換」「ゼロ・コロナ」訴え
●「生きたいと思ってしまったんです」
新型コロナによって「日本社会の弱さともろさが明らかになった」と切り出した枝野代表は、苦境に立たされて支援現場を訪れたある若い女性の言葉を紹介した。 「もう首を吊るしかないと思っていましたが、私も人間なんですかね。生きたいと思ってしまったんです」 そしてこう続けた。「現在の日本は、困窮に陥った若者にこんな言葉を口にさせてしまう社会になっている」 枝野氏は、昨春の緊急事態宣言の解除後、時期尚早ではないかとの危惧がある中で、政府が「Go Toキャンペーン」を推し進めたことや、冬場の感染拡大が懸念されていたにもかかわらず保健所や医療機関への支援を進めなかったことなどを挙げ、「現在の感染爆発、そして医療崩壊を招いたのは政府の失策であり、現在の危機的状況は『人災そのもの』だ」と批判。 コロナ禍で上昇した自殺率や死者・重症者の数、失業率や倒産件数などの指数について、「その数字の一つひとつに人生があり、顔と名前がある。政治がしっかりと対策を進めていれば救えた命や避けることのできた苦境があったはずだ」と訴えた。 さらに「政治がこの30年近く進めてきた規制緩和によって、やむなく非正規雇用となり、今回の感染症によって差別的と言ってもいい待遇を受けている方々は自己責任なのか」と問いかけ、「断じて違う。政治にこそ責任がある。今起きているさまざまな問題は、ひたすら目先の効率性だけ追求し、国民の命と暮らしを守ることを軽視してきたこれまでの政治の帰結だ」と断じた。 こうした社会をつくり出したのは「自助を強調してきたこれまでの政治、これを主導してきた自公政権」だと指弾。「(自公政権では)この歴史的変化に対応できない。まず政治そのものが変わらなければならない」「支え合いの政治を掲げ、命と暮らしを守る政治への転換を図る。その歴史的使命を引き受ける覚悟だ」と声を張り上げた。 そして枝野代表はこう宣言した。「今年中に必ず行われる総選挙で政権の選択肢となり、自公政権を倒して立憲民主党を中心とする新しい政権を作る」