「紫金山・アトラス彗星」が見ごろ 10月中旬、肉眼でも観測のチャンス 尾を引く姿がSNSで話題に
「紫金山・アトラス彗星」が13日に地球に最も接近し、その後、見ごろを迎えます。空の暗い場所であれば、肉眼でかすかに見えるかもしれません。SNS上では、世界中、日本中で観測された彗星のきれいな写真が投稿され、話題になっています。 【写真】なんて美しい…!長く白い尾を引く「紫金山・アトラス彗星」 国内外のベストショットまとめ
暗い空だと肉眼でも観測できそう
「紫金山・アトラス彗星」が発見されたのは昨年1月。当初は、とても明るい彗星となることが期待されていました。 今では、当初の予想のようには明るくならないものの、暗い空であれば肉眼でかすかに観察できそうだということです。 国立天文台によると、10月中旬ごろから彗星は夕方の西の低い空で観察できるようになります。空が明るい市街地では肉眼で見るのは難しそうですが、適切に設定したカメラで撮影することでぼんやりとした姿を写すことができそうです。 彗星は、星空の中を日々移動していくため、観察する日により位置が変わっていきます。10月下旬以降は彗星が遠ざかっていき、徐々に暗くなっていきます。
連日、天文家や写真家がSNSに投稿
SNSでは、アマチュア天文家や写真家がこぞって撮影した彗星の写真が連日投稿され、話題になっています。 写真家のKAGAYAさん(@KAGAYA_11949)が10月1日に新潟県で撮影した1枚は山脈のシルエットの上に長い尾を引く彗星が写っています。「秋の夜明けの月と彗星。薄明のグラデーションの中、つかの間の共演でした」と投稿しています。その前日、9月30日には長崎県で夜明けに撮影した写真も投稿されていました。 だいこもんさん(@pochomskii)のSNSでは、10月1日に宮城県蔵王山(標高1450m)の駐車場で撮影した美しい彗星の写真が投稿されています。 撮影の時間は午前4時17分~20分の3分間ほど。「撮影中は仲間たちと『肉眼では見えないねえ』と話していたんですが、双眼鏡を使えば尾までくっきりみえたので、あの様子なら目を凝らせば少なくとも彗星の核だけは肉眼でも見えていたはずですが、撮影に夢中で、それほど注意できていませんでした。10月中旬に大いに期待してます」と振り返ります。 南米チリにある「標高世界一」の東京大アタカマ天文台や、米アリゾナ州のキットピーク国立天文台など、世界中の天文台からも、美しい彗星の写真が続々と発信されています。 また、朝日新聞と国立天文台がYouTubeで毎日生中継している星空ライブ「Asahi Astro LIVE 朝日新聞宇宙部」(https://www.youtube.com/@astroasahi)では、米ハワイのマウナケア山頂からの彗星を見ることができます。