大谷翔平が語った秘話「ルース、復帰、二刀流是非、東京五輪、結婚」
メジャーリーグのア・リーグ新人王に輝いたエンゼルスの大谷翔平(24)が22日、千代田区の日本記者クラブで200人以上の報道陣を前に帰国会見を行い、挑戦1年目のシーズンを振り返ると共に、今後の復帰プラン、二刀流、2年後の東京五輪、そして“神様”ベーブ・ルースへの思いなどを約1時間に渡って語った。謙虚に追求を続ける進化と変化。全米を震撼させた二刀流の成功理由が垣間見えた。 黒のジャケットに「特に理由もなく選んだ」という紺のネクタイで、日本記者クラブの大ホールに現れた“二刀流メジャーリーガー”は、アメリカの生活から結婚問題まで様々な質問に爽やかに、そして真摯に答え続けた。 「今後の課題も含め充実した楽しい1年だった」 投手として10試合に登板して4勝2敗、防御率3.31、打者としては打率.285、22本塁打、61打点、10盗塁の数字を残したが、シーズン途中に肘を痛めた。 「自分には点数はつけないが、離脱したことを考えるといい点数にはならないかな」 10月1日に「メスを入れることに抵抗はあったが、長期的に負担なくパフォーマンスを出せるためには必要な手術」と決断してトミー・ジョン手術を受けた。 当初は右手が使えず日常生活にも苦労したが、現在は何不自由なく、ランニングなどの有酸素運動、下半身や体幹を軸にしたトレーニングを再開している。 開幕前にはオープン戦で投打共に結果が出ず、マイナースタートの可能性さえ報じられた。 「今年くらいオープン戦で結果が出ずシーズンに入ることはなかったので、打席でもピッチャーでも不安は多かった」 キャンプ途中に“レジェンド”イチローに相談、アドバイスを求めた。 「なかなか思い通りにプレーできない。精神的部分もそう。 一番経験した人にお話をお伺いしたいと機会をいただいた。そこから気持ち的にも技術的にもより進歩した。感謝している。勉強になった期間じゃないか」 打者としては足を上げないノーステップ打法に変えて対応した。 「日本で取り組んでいた形でプレーしたいという気持ちがあったが、結果が出ず、内容も手ごたえを感じることがなかった。その中で少し変えてみようかな、と取り組んだところ、いい方向へちょっとずつ転んでいった」 3月29日の開幕戦では「8番・DH」でスタメン出場し初打席初安打。4月1日のアスレチックス戦で初登板初勝利すると、3日のホーム開幕戦となるインディアンズ戦ではメジャー初本塁打。勝利投手が2日以内に打者出場した試合の初回に本塁打を記録したのは1921年のベーブ・ルース以来、実に97年ぶりの快挙だった。大谷は印象に残った試合として、この初勝利と、初本塁打を挙げた。 話題となったのが、その初本塁打の際、ベンチで出迎えるチームメイトが全員で大谷を無視する「サイレント・トリートメント」の儀式だった。