大谷翔平が語った秘話「ルース、復帰、二刀流是非、東京五輪、結婚」
投手としての復帰は、2020年にずれこむことになりそう。だが、投手に関しても再発防止フォームに改造しての復帰プランを考えている。 「(右肘を痛めた原因が)これとわかっていれば楽だが要因はひとつじゃない。今後、変えられる点で言えば、フォームをより負担が少なくスムーズに効率よくもっていくこと。(僕は)人よりも速いボールを投げれるのでより負担がかかるのはしょうがない。効率よく投げていくこと(に取り組み)、平行してレベルを上げていかないと結果は伴っていかない。(来季)マウンドに立たなくとも勉強できることは色々とある」 二刀流として復帰予定のその2020年には東京五輪がある。 五輪はWBCと違いシーズン途中の8月開催ということもあってメジャーリーガーの参加は難しいとされている。過去の五輪を見てもアメリカ代表もマイナーの若手中心のチーム形成だった。それでも大谷の本音は「出たい」だ。 「五輪は、僕の気持ちだけで、ちょっと(出場できるかどうか)どうの、はない。もちろん日本で開催される(大会なので)興味は持っている。野球が(再度正式種目に)選ばれているというところもあった、出場してみたい、という気持ちがあるのは普通のこと」 つまりエンゼルスの判断次第。大谷にとっては不本意かもしれないが、その時点でチームがポストシーズン争いから完全に脱落。後半戦に向けてチーム編成を変えるような事態にでもなっていれば、ほんのわずかに大谷の五輪参戦の可能性はあるのかもしれない。 故障のリスクが現実になってしまったことで米でも二刀流の是非が議論された。 いつまで二刀流を行うか?の議論だ。ベーブ・ルースも投手は、実質6年だけで、7年目以降は、打者に専念した。 大谷は、その二刀流是非論に素晴らしい回答をした。 「(どこかで1本に?)今の時点でまったく考えていない。(選手生活の)最終的に代打に専念、守備で主に出場する方もいる。なにがいい、なにが悪いじゃなく、プロで生活するうえで、その道へ自然に入っていく方もいる。でも、最初からそこへいくほうが珍しい。そういう捉え方をするのなら、今の段階で、それを考えることはない。自然の流れで、どちらかになる可能性はあるのだろうが」 限界まで“二刀流”を追求するのである。それが進化&変化を求め続ける大谷スタイルだろう。その先には、100年の時をこえ、“元祖二刀流”ベーブ・ルースを超える偉業が待つ。 ルースは、1918年に13勝と11本塁打の記録を残し、当時の道具類の質の問題などもあり11本で本塁打タイトルを獲得している。二刀流としては、これが最高の数字だが、それまで投手として、23勝、24勝とマーク、防御率タイトルも獲得している。打者に専念するようになってからは、12度の本塁打王、打点タイトル、首位打者にも輝いた。 この日、大谷は、そのベーブ・ルースについて2度、質問された。 「比較されるようになって数字がよく出るが、個人的には、神話の中の人物。どこが、どう凄かったかを、あまり理解できていない。あまり意識したことはない。投手より打者の印象が強い。なかなかホームランが出ない時代に、あれだけ打てる、というのは、想像だが、とてつもなく素晴らしかったのでは。時代を代表する選手として目指すところ。1年1年の積み重ねの中で、数字に近づけていければ、と思うこともあるが、今の実力、段階ではあまり考えられない」 100年に一人、時代を代表する選手へ――その確かな一歩は刻まれた。 「まだまだ先が見えない。5年、10年やって少し見えることじゃないか」 未来を見つめる24歳の怪物アスリートは謙虚に進化と変化を追い求め続けるのである。