“虎の怪物”佐藤輝明が21、22号を連発できたワケ…大人のスイングへの進化
ルーキーイヤーの22本は、阪神では法大出の“アーチスト”田淵氏が1969年に作った新人最多記録に並ぶもの。 「偉大な方に並べて光栄ですし嬉しく思います」 佐藤もレジェンドOBにリスペクトを示した。 田淵氏が本塁打タイトルを奪ったのは7年目。当時は、巨人に“世界“の王貞治氏という大きな壁があり、1974年には45本を打ってもタイトルを取れなかった。現在、本塁打争いでセのトップは巨人の岡本和真の29本で、ヤクルトの村上宗隆が27本で続く。佐藤と同じ時代に若きライバル達が揃っているが、まだ“世界の王”ほどの絶対的な壁ではない。ここから先、佐藤には、山も谷もあるだろうが、阪神の生え抜き主砲としては、掛布雅之氏以来となる、そのタイトルを手にする日まで、田淵氏ほどの年月を要することはないのかもしれない。そう思わぜるほどの逸材であり、プロの世界で生きていくクレバーさを兼ね備えている。 この日、巨人がヤクルトに勝ち、阪神が負けていれば、首位陥落という崖っぷちのゲームだった。だが、佐藤のバットで、その危機を脱し2ゲーム差をつけた。 「(2本塁打、3打点が)直接勝ちに結び付いたのでとても嬉しいです」 素直な心境を口にした佐藤は、インタビュアーに「明日からも大きいホームランを楽しみにしていいですか?」と、無茶ぶりされて「頑張ります」と、堂々と胸を張って笑った。