AFCがアジアカップのテクニカルレポートを公開 オールスタースカッドには遠藤航の名前も
チームの詳細や大会で使用された戦術などを掲載
AFCが今年1月に開催されたアジアカップ2023のテクニカルレポートを公開した。レポートには、出場チームの詳細な紹介、グループ予選及び決勝トーナメントの各国の記録などが詳細に記述されており、アジアカップを通じて現れた最新の戦術トレンドなども述べられている。 AFCのテクニカル・スタディ・グループ(TSG)が公開したレポートには各国のチーム紹介、グループステージから決勝トーナメントの試合の経過、ゴール分析など大会にまつわるさまざまな記録が掲載されており、TSGが選んだ決勝トーナメントに大きく貢献した選手に焦点を当てた26人のオールスタースカッドに、日本から唯一MF遠藤航が選出された。優勝したカタールと準優勝のヨルダンからは最多の6人が選出されている。 今大会では特にロングボールを起用するチームが多く見られたが、そこについても言及している。レポートによれば、相手の後方からのビルドアップのところを積極的に狙うチームが多かったことが要因と述べている。その対策として、ゴールキーパーがボックス内で2人のチームメイトを近くに置いてビルドアップの準備を始め、相手がそこへ飛びかかろうとするのを見て安全第一のロングフィードを選択するケースが見られた。実際カタールは、準決勝のイラン戦では全体のパスのうち32%、決勝のヨルダン戦は29%の割合でロングパスを使用していたという。 その影響でポゼッション型のチームが苦しむ傾向も見られた。今大会では24チームの中で日本と韓国が唯一全試合でポゼッションで試合を支配していたが、それぞれが敗北したイラク、イラン、ヨルダンとの試合では、ボールは握れるもののそこからチャンスを作れず攻撃が停滞していた。レポートでは準決勝の韓国とヨルダンの試合を例に挙げ、特にヨルダンは韓国との試合でそこを意識し、相手に敢えてボールを握らせ、チャンスを作らせない完璧な守備を見せたことを述べている。結果的に韓国は支配率70%を記録しながらもシュートまで持ち込めなかった。 また、プレイ以外の面にも触れており、大会中に目立ったベンチのマナーやインプレイの時間の短さなど、さまざまな問題点が出たことついても述べられている。TSGはこういった問題点にも向き合い、改善の余地があることを示した。
構成/ザ・ワールド編集部