「外国人観光客からぼったくっている」「日本の恥だ」との声も…。「インバウン丼」が食べない人にも批判された“深いワケ”
インバウンド需要を取り込むにしても(というかそうしないと多くの施設は生き残れないだろう)、それが「日本人排除」しているように見えないための工夫や、あるいはニセコのように完全に「インバウンドに振り切る」というのも、一つの方法だろう。 あるいは、メディアの中心地である東京から離れた場所でインバウンド向けの商売をする、といった発想もできるかもしれない。 一方で千客万来は、なまじ「さまざまな人を受け入れる」ことを明言しているために施設全体のターゲットが曖昧になり、結果あまりパッとしない印象になっていることも否めない。
日本人から悪評が立っても、それをはねのけるぐらい外国人に受け入れられる施設を作ることも、一つの手なのだ。 いずれにしても、観光が主要な産業の一つになりつつある日本において、ニセコをはじめとする「テーマパーク化」の現実を見つめ、それをどう生き抜いていくのかは、企業にとっても喫緊の課題になっているのである。
谷頭 和希 :都市ジャーナリスト・チェーンストア研究家