「このタイヤ凄えわ!」横浜ゴムの最先端タイヤ開発とサステナブル革命に衝撃を受ける
さて、勉強会ではタイヤの組み替えを担当するタイヤサービスへの訪問も行われた。タイヤサービスには組み替え作業など担当するタイヤメカニックが15名程度、エンジニアが7~8名がメンバーとしてレースウィークには集合する。タイヤを搭載するトレーラーが4台、機材関係を搭載するトレーラーが3台の計7台のトレーラーが部隊を支える。用意されるタイヤはドライが毎戦400~500本、ウエットが600~700本となる。タイヤサービスはレースウィークの火曜日にはサーキットに入り、設備を整えてレースを迎える。一方でレーシングチームは金曜日にサーキット入りし、タイヤサービスにホイールを持ち込んでタイヤを組み付ける。
スーパーフォーミュラで使っているタイヤはフロントが270/620R13、リヤが360/620R13と特殊なサイズのため、タイヤをホイールに脱着するタイヤチェンジャーも専用のものを使用。ホイールにタイヤを組む際にはリムに接着剤が塗られ、タイヤがズレるのを防止している。ホイールに組み付けられたタイヤはケージのなかで空気が充填される。ケージ内で空気充填するのは空気充填中にホイールが破損して破片が飛び散るなどのトラブルが起きた際に安全を確保するためだ。その後はホイールバランサーを使ってバランス取りを行う。ドライバーは走行中に振動を感じることがない高い精度のバランスを要求するという。
最高の状態でレースを戦い限界のバトルを見せられるようにレーシングタイヤはハイレベルなテクノロジーで開発、製造され、プロフェッショナルの手によりホイールに組まれてチームに供給される。トップフォーミュラを安全にそしてエキサイティングに走らせるノウハウはとてつもなく高いところにあり、それが市販タイヤにも生かされている。トップカテゴリーでレース活動するタイヤメーカーのタイヤがいかに信頼できる存在なのか、心に響く勉強会であった。
レスポンス 諸星陽一