世界的名作『モモ』絵本版が登場 あの主人公はどう描かれたのか?[ノンフィクションベストセラー]
12月10日トーハンの週間ベストセラーが発表され、ノンフィクション・ライトエッセイ第1位は『書いてはいけない 日本経済墜落の真相』が獲得した。 第2位は『ズレまくるスーパーエリートへの処方箋 官僚生態図鑑』。第3位は『アフリカ一攫砂金』となった。 【画像を見る】「イラストはキャラクターに形、顔、存在感を与えることを避けることはできない」絵を担当したシモーナ・チェッカレッリさんがInstagramで綴った「葛藤と喜び」 4位以下で注目は7位に初登場の『モモ(絵本版)』。ミヒャエル・エンデの代表作『モモ』(岩波書店)の絵本版。本国ドイツでの『モモ』刊行は1973年。その50周年に生まれた絵本の翻訳版。主人公モモの人の話を聞く力について焦点を当てた一冊で、原作の一部をそのエッセンスを活かした形で絵本にしている。ストーリー全てを楽しみたい場合は、やはり児童書版を読む必要があるが、本編への入門書として最適だ。絵を担当したシモーナ・チェッカレッリさんのInstagramには、読者がどのようにでも読める抽象的な存在であるモモに具体的な形を与えるために試行錯誤したことが綴られており、世界的ベストセラーを絵で表現することの葛藤と喜びが告白されている。
1位『書いてはいけない 日本経済墜落の真相』森永卓郎[著](三五館シンシャ) 2023年12月、私はステージ4のがん告知を受けた。告知の瞬間、私は、何を食べたいとか、どこかに行きたいとか、そんなことは微塵も考えなかった。なんとか自分の命のあるうちにこの本を完成させて世に問いたい。そのことだけを考えた。その意味で本書は、私の40年にわたる研究者人生の集大成であると同時に、私の遺書でもあるのだ。(フォレスト出版ウェブサイトより)
2位『ズレまくるスーパーエリートへの処方箋 官僚生態図鑑』森永卓郎[著](三五館シンシャ) 優秀な官僚が1990年以降、フリンジ・ベネフィットと政策の決定権をはく奪されて、すねてしまっている。そして、小市民化し、国家ではなく、自分たちの暮らしを改善するためのズレた政策遂行に邁進するようになってしまった。官僚の暴走が日本の経済社会停滞の大きな原因になっている以上、それを止めないといけない。――官僚の生態系に今、何が起きているのか? (フォレスト出版ウェブサイトより)