よくみると種類でキレイさが違う! 冷凍トラックに「ボコボコ」なクルマが多いワケ
フォークリフトが当たっているケースも
自社の冷凍車がボコボコになってしまうことを嫌う運送会社では、ドライバーに担当車を与える傾向が強い。そうすることで責任感を養わせているのだが、そのような会社にはトラック好きの人材も集まってくるもの。 いくら冷凍車の現場がトラックを破損しやすい環境にあるとはいえ、キレイな冷凍車も数多く存在している。近年ではバックカメラが一般的に装備されていることも手伝い、トラック好きであれば、バースへの接車も慎重に行いやすくなった。わかりやすくいうなれば、トラックを丁寧に扱っていれば、当然のごとくボコボコにはならないのである。もちろん気を抜けばトラックを破損してしまいやすい環境で仕事をしているだけに、防げない部分もあるのだが……。 そして、どうしようもないケースも存在する。バンパーなど後方を張り出させたデコトラほど被害に遭う確率が高くなってしまうのが、鮮魚や青果輸送などに励む冷凍車。現場によってはリヤからフォークリフトで荷物を積んでもらうことが多いのだが、リフトマンに激しくブツけられてしまうことがあるのだ。ブツけた相手は荷主など立場が上の人物であったりするため、泣き寝入りをせざるを得なかったりする。ともあれ、冷凍車の世界にも目に見えない苦労がつきまとっているのだ。 トラックに限らず、仕事道具を大切に扱う人と、無碍に扱う人が存在する。そのどちらがきちんとした仕事をするのかは、いうまでもないだろう。トラックを大切にするということは、荷物を大切にするということにつながる。そして、運転にも気を使うため、事故を起こす確率も低いとさえいえるだろう。 無責任な職業ドライバーを量産するのではなく、トラックを大切に扱う優秀なトラックを育てて確保するためにも、ドライバーに担当車を与えることが最優先事項であるように思う。そのためには予備車と呼ばれるピンチヒッターのトラックを用意しなければならないが、365日稼働している冷凍車の世界では、予備車はそもそもマストアイテム。急な事故や故障に対応させるために、予備車を用意している会社がほとんどだからだ。そして、そんな予備車さえあれば、ローテーションで与えられている各ドライバーの休日を補うことができるのである。 目先のお金をケチって予備車の準備を避けるのではなく、優れたドライバーの育成に重点を置く運送会社ばかりになってくれるような時代になることを、切に願う次第である。
トラック魂編集長 隅田真