「まるで宝石」──シチズンの高級時計カンパノラに新作登場。開発者が語るデビュー24年目の「原点回帰」
まるで宝石みたい──。 SNSなどで、こんなコメントが寄せられる時計製品群がある。シチズン時計(以下シチズン)が展開する高級時計「CAMPANOLA(以下、カンパノラ)」シリーズだ。 【全画像をみる】シチズンが発売した高級時計の新作の詳細(全20枚) 2000年の登場以来、美しい文字板デザインで中高年世代を中心に愛される同シリーズの新製品として、同社は3モデルを発表。発売に合わせて、東京・六本木ヒルズでイベントを開催した。 文字板を青で統一した今回の3モデル。開発者によると、今回のモデルで意識したのは「原点回帰」だという。新商品に込めた思いについて、同社のプランナーとデザイナーに聞いた。
テーマは「宙鏡」。平安時代の歌に着想
今回発表した3モデルのテーマは、「宙鏡」(そらかがみ)。星空に人々の生活の営みを重ね合わせ、空に思いを馳せたという平安時代の歌がヒントとなり、「手元に美しい空を映し出す鏡」というコンセプトで商品を企画した。 「『宙鏡』エコドライブ」(税込み38万5000円)、「『宙鏡』グランドコンプリケーション」(税込み49万5000円)、「『宙鏡』メカニカル」(税込み132万円)の3モデルの文字板は、各モデルで個性があり、それぞれ青の淡さ、深さ、豊かさを表現しているという。 エコドライブとグランドコンプリケーションはすでに販売を始めており、メカニカルのみ12月5日に150本限定で発売する。 これまでも「空」をテーマに文字板の美しさに定評があったカンパノラシリーズ。一体何が変わったのか。 3モデルを企画した市川貴之チーフプランナーは「これまで発表したモデルは機構で空を感じてもらうことが多かった。対して、今回は文字板自体で空を表現することを強く意識しました」と語る。 カンパノラには「雄大な宙(そら)に想いを馳せ、今という時を愉しむ。」というブランドテーマがある。人類の歴史上、星の動きで時間を計測した過去なども踏まえ、2000年のシリーズ登場に立ち返り、空に着目した。 「空を表現したことは過去にもありましたが、単発で終わりがちでした。今回は改めてカンパノラシリーズを認知してほしいという意味を込めて、空を突き詰めました」(市川氏)