「私、子どもに何をしているの!?」 やさしいママが急変「母親を鬼に変えた」病の正体 「このままじゃダメだ…」女性がとった行動とは
これ以後、かおりさんは生理前になると子どもたちにはっきり、「イライラしてきました。明日、生理が来ます。だから今日のお母さんは怒りっぽいです!!」などと伝えることにした。 やがて、子どもたちのほうから、様子を察して「お母さん、大丈夫?」と聞いてきてくれたり、「触らぬ神に祟りなし」という感じで、放っておいてくれたりするようになった。 もともと育児や家事に協力的だった夫も、「今日はお母さん、生理で体調悪い日だから、お父さんと一緒に外に出かけよう」「今日はお父さんと一緒にご飯作ろう。何がいい? まずは、買い物に行こうか」などと気を遣ってくれるように。
おかげで、かおりさんが1人で休めるようになったという。 母親のイライラ問題から勃発した親子問題。これをなんとか乗り越えた、浜田さん一家。それ以後、より何でも話せる家族へと進化した。 かおりさんは言う。 「夫の協力のことを友人たちに話すたびに、『旦那さんはすごい、いい人だね』とよく言われます。もちろん夫にはとても感謝しています。ただ、こうした対応がすべての男性のスタンダードになればいいなぁ、と願わずにはいられません」
■総合診療かかりつけ医・菊池医師の見解 総合診療かかりつけ医、きくち総合診療クリニック院長の菊池大和医師によれば、月経前症候群の症状は実に多彩だ。 心の症状としては情緒不安定、イライラや抑うつ、不安や眠気、集中力の低下、睡眠障害など。体の症状では腹痛や頭痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどが起こってくる。 月経前症候群の詳しい原因はまだわかっていないものの、女性ホルモンの一種である黄体ホルモンの関与が指摘されている。
「生理のある人の70~80%の人に起こるとされていますが、つらい場合は受診したほうがいいでしょう。仕事に支障が出たり、家庭不和につながったりすることもありますから」(菊池医師) 月経前症候群の診断では問診が最も重要だ。このため、受診する場合は日頃から診てもらっているかかりつけ医や、心療内科が勧められるそうだ。必ずしも婦人科でなくてもいい。 治療では、漢方薬が処方されることが多い。このほか症状に合わせて鎮痛薬や睡眠薬、抗不安薬などが検討される。リラクゼーションも効果的だ。菊池医師は患者に「自分だけの時間を作ること」や「運動などで体を動かすこと」などを勧めている。