「私、子どもに何をしているの!?」 やさしいママが急変「母親を鬼に変えた」病の正体 「このままじゃダメだ…」女性がとった行動とは
「娘がおもちゃの片付けをせず、散らかしっぱなしのまま、テレビを見ていたんですよね。その姿が視界に入ったとき、わけもなくメチャメチャ頭にきて、叱ってしまったんです」 ちょっと注意するつもりだったのが、怒りの言葉がとめどなく出てきて、止められない。子どもが大泣きをしているのを見て、「私、子どもに何をしているの!?」。我に返った。 「そのときは何が起きたかわからず、あぜんとするだけでした」 しかし、その後も「お風呂に入るように言っても、なかなか入らない子どもに対し、イライラして怒鳴ってしまう」など、同じような状況をたびたび繰り返すようになっていた。
そんなある日のこと。このときも「怒りすぎてしまった」(かおりさん)のだが、上の子が驚愕の目で自分を見ていることに気づく。 「いつもと違う自分を何とかしないとダメだ……」 はっとさせられたという。 イライラする、人にあたる、すぐに怒るといった行動が生理と関連していることに気づいたのは、数カ月後のことだ。 「やらかしてしまった翌日に生理が来るのがわかってからですね。これって月経前症候群なんじゃないか、とピンと来ました」(かおりさん)
詳細は後述するが、月経前症候群は生理が始まる3~10日前に起こる体と心の不調をいい、生理が始まるとともによくなったり、なくなったりするのが特徴だ。 「育児ストレスも影響していたかもしれません」と、かおりさん。イライラを何とかしようと、お風呂にゆっくり入ったり、アロマテラピーをしてみたり……。だが、いっこうに改善する気配はない。 このままでは自分も家族もつらい。家庭が崩壊してしまうかもしれない。何より子どもから「急に怒り始める怖いお母さん」として見られるのは、ぜったいに避けたい。
■そうだ、家族会議を開こう! 考えた末、かおりさんは“ある対策”を講じることにした。 家族会議を開き、そこで「お母さんには月経前症候群という生理にともなって体調が変わる病気がある。イライラはその病気によるもの」と説明したのだ。 子どもたちは話を聞いても驚くことはなく、「じゃあ(イライラは)しかたがないね」という反応だったという。かおりさんは、実はこれまでも性教育の一環として、体や性について子どもたちに、積極的に教えていた。これが功を奏したのだろう。