アリの住居侵入を防ぐには?その解決方法が大ウケ→「すげー、めっちゃ科学的」「自由研究だ!」プロにも対策を聞いてみた
害虫のプロによる、アリ駆除へのアプローチは?!
ーー今回、家屋に侵入したのはルリアリではないかと同定されていましたが、正しいですか? 「はい、送っていただいた写真は特徴からも、『ルリアリ』だと思われますという」 ーーお、すごい。正解だったんですね!ではアリは人に害を及ぼすんでしょうか? 「砂糖や食品に集まり、まれに人をかむ種類もあるので注意が必要です。さらに、特定外来生物の危険な『ヒアリ』や『アカカミアリ』、攻撃性が非常に強いので在来種を駆逐して生態系を破壊するとも言われている『アルゼンチンアリ』を見つけたら注意してください。 『ヒアリ』や『アカカミアリ』は刺されると火傷のような激しい痛みを生じます。毒性が強く、毒針で刺されるとアレルギー反応で死に至る危険性があります。『アルゼンチンアリ』は1つの巣にたくさんの女王アリがいて繁殖力がとても強く、食欲旺盛で雑食。大軍団を形成するのも特徴です。土の中だけでなく、どんな場所でも巣をつくる上、攻撃性が非常に強いです」 ーーやっぱり外来種は怖いですね。一般的に家でよく見かけるアリは、どんな種類なんでしょう? 「アリはその食性から「雑食性」と「吸蜜性」に大きく分けられます。『雑食性のアリ』は、虫の死骸を好みますが、蜜も舐めます。エサを持って運んでいるのは大抵がこのタイプ。民家の周辺でよく見られ『トビイロシワアリ』『イエヒメアリ』『オオズアリ』『ルリアリ』などです。 『吸蜜性のアリ』は、主に砂糖やアブラムシが分泌する蜜を食べています。エサを持って運ぶことはあまりなく、雑木林といった緑の多いところにいます。種類としては『アミメアリ』、『トビイロケアリ』などです。 アリの生態はさまざまですが、基本的には、一つの巣に女王アリ1匹いて、春から初夏にかけて卵を産み続けます。夏にはオスとメスの羽アリが羽化して結婚飛行に出かけ(6月以降)、新たな場所にコロニーを作るのが特徴です。この羽アリはシロアリの羽アリとは別で、シロアリの羽アリは4~6月に見られます」 ーーやはりいろいろ種類によって好むエサにも違いがあるんですね。面白い 「そしてアリは社会性を持った昆虫で、女王アリを中心に全てのアリが役割を持って集団で生活しています。化学物質(フェロモン)で仲間と情報交換をし、エサの場所や危険を知らせているのです。見つけたエサは、エサの持ち運びのために使う体内組織『社会胃(消化吸収をしない)』に貯めて巣に持ち帰り、仲間に分け与えます」 ーー咥えて運ぶのかと思っていました!運搬用の胃に貯めて持ち帰れるとは…! 「弊社がつくっているアリの忌避・駆除剤『アリの巣コロリ半生タイプ』は、まさにこの習性を活用したものです。強力誘引剤を使用し、駆除エサ剤に食いついたアリが巣に持ち帰り、他のアリにも分け与えることで、女王アリや働きアリ・幼虫などにも効きめが広がり、巣ごと全滅させます」 ーー置くだけでいいので便利ですね。でも、とりあえず家に侵入したアリをどうにかしたい時は、蚊などに有効ないわゆる駆除剤で駆除することはできないんでしょうか? 「巣から出てきているアリを見つける度に駆除するより、前述のように巣に持ち帰ってエサを仲間に分け与える働きアリの習性を利用する方が良いと思います。そしてスプレー式の駆除剤は噴射力がありアリを吹き飛ばしてしまうことが多いので、確実に駆除できる専用のものを使うのがおすすめです」 ーー薬剤で駆除せずに家に入れない方法はありますか? 「アリは、小さな穴や隙間から家の中に侵入すると考えられます。もし侵入口が特定できるなら、パテで埋めるなどして塞ぐことで阻止できます。しかし実際には、人が確認しづらい場所だったり、侵入口がとても小さかったりするので、特定は簡単ではありません。そんな時は、玄関やサッシなど、アリが入って来そうな場所や、以前見かけた場所に、侵入防止効果のある『アリアース1プッシュ式スプレー』などを使用してください」 やはりプロがつくるアリの忌避剤も、その生態を研究し、習性を利用して開発されているんですね。敵を知るって大事! (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・東寺 月子)
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