「薬があるのに手に入らないのは苦しい」3歳息子は"再発時の生存率1割"の小児がん 希望の新薬は日本で使えず、取り寄せるには5500万円 葛藤した両親の決断は
健康保険など適用されず費用は5500万円
幸之助くんの両親はアメリカから取り寄せようとしましたが、国内では承認されていないため健康保険などは適用されず、費用は5500万円あまりと莫大になります。 (父・将さん)「最初は1000万円~1500万円くらいじゃないかと。持ってる家とかを売ってなんとか準備できるなという話だったんですけど、見た瞬間すごい金額だなって…」 両親は「少しでも生存率が高くなるなら諦めたくない」と悩んだ末、寄付などで治療費を集めることにしました。 (父・将さん)「息子が病気と闘っております。応援していただければ…」
寄付のおかげで治療できるように「希望の薬なのでこれに託そうと」
(父・将さん)「これがアメリカから届いた『エフロルニチン』という薬です。希望の薬なのでこれに託そうという気持ちです」 目標の5500万円が集まり、幸之助くんは10月末から「エフロルニチン」による治療を始めました。錠剤をお湯に溶かし、1日2回服用します。肝機能障害や聴力の低下など副作用のリスクもありますが、日常生活を送りながら治療することができます。抗がん剤などの標準治療はすでに終わり、少し体力も回復してきました。 (父・将さん)「体重もちょっと増えたんですよ。退院した時は12kgなかったが、今は13kg」
「薬があるのに手に入らないのは苦しくて悔しい」
薬の服用を始めて1か月が経った先週、経過を診るため病院に向かいました。 (母・瑠衣さん)「(Q経過は?)順調ではあると思います。ずっと家にいられるっていうのは日常に戻ってきてますね」 国内で使用された報告がない薬のため、月に一度、異常がないかどうかを検査します。薬との因果関係は不明ですが、肝機能に少し異常が認められたため、注意しながら治療を続けることになりました。 (母・瑠衣さん)「肝臓を守る薬を飲みながら一緒にエフロルニチンを飲む感じになりました。こうちゃん頑張ろうね!」 今後も副作用などをみながら2年間服用を続ける予定です。 少し先の未来を考えられるようになったという母親の瑠衣さん。ドラッグ・ロスに直面し治療を選択することの重みと「できる治療がある」ありがたさを強く感じたといいます。 (母・瑠衣さん)「薬があるのに手に入らないのは苦しいことやと思うし悔しいし、(治療の選択で)後悔したこともあるんですけど、幸之助の元気な姿を見たりとか、新薬を飲ませてもらっているのもあって、この選択をしてよかったなと今は思います」 (2024年12月10日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特集』より)