「WOOLRICH(ウールリッチ)」の代表作「ARCTIC PARKA(アークティック パーカ)」はアラスカ極寒の地の作業着として生まれた
「このハンティングチェックで作られたハンティングジャケットとパンツをセットアップで着るのが、ハンターの正装と呼ばれ、ペンシルバニアタキシードという呼び名がつきました。
バッファローチェックもハンティングチェックにしても、ハンターが誤射の事故にあわないように作られた物なので、商標登録をしているわけでもなく、独占したりせずにみんなで使えるようにしたと言われています」
WOOLRICHの代名詞と呼ばれる「ARCTIC PARKA」が誕生
1939年の南極観測や、再び第2次世界大戦では再びアメリカ軍へ、ブランケットなどの製品の支給を行う。そして1972年、その後のWOOLRICHにとってもっとも定番的でブランドを代表するアイテムとなるARCTIC PARKAが誕生する。その基本的なデザインや仕様は50年以上大きく変わることなく長きにわたって愛され続けるアイテムとなっていく。この大定番ARCTIC PARKAについて詳しく教えてもらおう。
「アラスカから北米に天然ガスのパイプラインを建設するという国家事業がありまして、そのため氷点下での作業着としてアメリカ政府から依頼を受けてデザインされたのが、このARCTIC PARKAです。
今、販売されているものはシルエットやダウンの量など細かい部分はリファインされているのですが基本的なデザインはずっと変わらずに作り続けられています。当時から60/40クロス[1]と呼ばれる防水、防風、耐摩耗性に優れており、1970年代のアメリカではアウトドアウエアやワークウエアなどで広く使われていた生地を使用していたと言われています。
フード部分のファーは当時からコヨーテの毛皮を使っております。コヨーテの毛皮は凍らないという特性があったり、その頃、ペンシルバニアではコヨーテが駆除対象になっていたり、という理由で採用されたということです。 その他の特徴ですが、まず大きなボタン、これは手袋をしたままでも留め外しできるようにこの大きさになっています。そして内側は“シェブロンステッチ”と呼ばれるV字ステッチが入ったデザインになっており、見頃中央についたハンドウォーマーポケットは裏にフリース素材を使っております。下部のポケットはマチ付きで容量が大きめに作られています」