グループAのGT-FOURでもなくグループBのツインカムターボでもない……WRCに挑んだダルマセリカ!『モーターファンフェスタ2024』を振り返る
2024年4月21日(日)に富士スピードウェイ(静岡県)で開催された『モーターファンフェスタ2024(以下、MFF)』では、さまざまなクルマが多数展示された。中でもWRCで活躍したマシンに関してはグループA時代のマシンは本物の競技車両や精巧なレプリカが展示され大いに話題を集めた。しかし、WRCマシンに関してはグループAだけでなく「グループ4」マシンも展示されていたのはご存知だろうか? WRCのセリカといえば、栄光に彩られたグループAマシン、サファリラリーで無敵を誇ったグループBがとかく有名だが、WRC黎明期の1970年代のグループ4時代を戦ったセリカがあることを忘れてはならない。MFFに展示されたそんなグループ4セリカに注目してみたい。 【画像】『モーターファンフェスタ2024』に展示された貴重なグループ4のWRCマシン!
グループ4ってナニ?1970年代のWRCの車両カテゴリーについて
モータースポーツには参戦する車両を定めるレギュレーションがあり、特に「世界選手権」の冠を掲げる競技では、統括するモータースポーツ団体である「FIA(世界自動車連盟)」とその下部組織「FISA(国際自動車スポーツ連盟)」が定めており、車両と競技のカテゴリー分けについても同様だ。 1981年までの車両規則は「グループ+数字」でカテゴリー分けされており、数字が小さいほど市販車に近く、大きいほど特殊な車両になっていた。たびたび変更はされてきたが、概ねグループ5以下が市販車およびその改造車、グループ6以上がスポーツプロトタイプやフォーミュラカーといった純レーシングカーとされてきた。 上の表の「生産義務台数」は競技車両としてのホモロゲーションを獲得するのに必要な連続する12ヶ月間での生産台数を表しており、このほかに排気量や改造範囲の制限、クラス分けが行われる。 ラリーにおいては基本的には生産台数義務が生じるグループ1/2/4の車両が使用され、トップカテゴリーはグループ4で争われた。 なお、1982年からこの規則は根本的に変更され、カテゴリーは「グループ+アルファベット」に置き換えられ、ラリーではいわゆるグループBのモンスターマシン、その廃止後はグループAと、より市販車に近いグループNが使用されていくことになる。 また、WRCは元々各地で開催されいた有名なラリーをシリーズ戦に統合したもので、1970年の国際選手権化を経て1973年に世界選手権として正式にスタートした。今回紹介するセリカはそのWRC黎明期のトップカテゴリーであるグループ4にあたる車両なのだ。