グループAのGT-FOURでもなくグループBのツインカムターボでもない……WRCに挑んだダルマセリカ!『モーターファンフェスタ2024』を振り返る
フィアットとフォードの狭間でポイントを稼ぐ……1977年
1977年はフィアットがストラトスの売上低迷と量販車種のプロモーションのため、主戦マシンをストラトスからフィアット131アバルトに完全にスイッチ。フォード・エスコートRS1800と接戦を繰り広げ(フィアット5勝/136ポイント、フォード4勝/132ポイント)、ランチアから続きフィアットがタイトル獲得(ランチアもフィアットもワークスチームは同じアバルトが担った)に成功する。 ※1977年からポイントシステム変更 全11戦で争われた1977年シーズンのWRCで、フィアットとフォード以外に勝利を挙げたのはランチア・ストラトス(モンテカルロ)とサーブ99EMS(スウェーデン)の1勝ずつに留まり、シーズンを通じて表彰台のほとんどをフィアットとフォードが埋め尽くした。 セリカの成績はスウェーデンで5位、ポルトガルで3位、ニュージーランドで6位、1000湖(フィンランド)で4位、サンレモ(イタリア)で6位、RAC(イギリス)で2位というもの。最終的に未勝利メーカーでは最多の68ポイントを挙げ、ランキングは3位に食い込んでいる。 1978年からトヨタはワークスマシンをRA40型の二代目セリカにスイッチするため、MFFに展示されたこの個体はRA20型セリカ2000GT(グループ4)の最後の花道を飾ったマシンと言えるだろう。
RA20型セリカ2000GTグループ4フォトギャラリー in MFF
TTEが作り上げたワークスマシンがわずか4台で、実戦に投入されたのが1976年と1977年の2シーズンのみ。しかも現存するのがこの1台と考えると、極めて貴重なマシンであると実感できる。それが動態保存され、日本で見ることができるのだからありがたいかぎりだ。MFFのみならず、これからもイベントなどで実車を目にする機会に恵まれれば幸いである。
MotorFan編集部