松本城で耐震補強の地盤調査へ ボーリング調査開始 市民がクラウドファンディングで支援【長野・松本市】
国宝・松本城で耐震の補強工事に向け、ボーリング調査が行われています。莫大な工事費用がかかる中、「力になりたい」と立ち上がった人たちもいます。 作業員が深さ28メートルの穴を掘って、地盤の状態を確認しています。松本城はこれまでの耐震に関する調査で、大地震に対する耐震性能が不足していることが分かっています。 今後、杭の打ち込みなどの補強工事を行う予定で、その前段階として今月から天守の地盤の状態を確認するボーリング調査などを実施しています。 城では先月から床板をはがすなど、調査の準備を進めてきました。 ■松本市教育委員会・竹内靖長・城郭整備担当課長 「地下の地質を調べるボーリング調査と、天守台の地面がどの程度遺構が残っているか、破壊されてるかを確認する発掘調査を行っている。床板をはがすのはあまり無い事例なので、そういった状況もご覧いただければありがたいと思う」 2つの調査は、年度内には終了する予定だということです。 ■松本青年会議所・澤地雅弘 理事長 「行政のみではなく我々市民の手で松本城を守っていくことは出来ないかを考え、クラウドファンディングを企画した」 松本青年会議所が進める「松本城サポータープロジェクト」。松本城の掘の浄化や耐震対策工事の総事業費は74億円以上かかる見込みで、市民が出来る財源確保の手段としてクラウドファンディングを計画しました。 ■松本青年会議所・茂住貴之さん 「国の補助があった上で、市単独でも36億円以上必要ということになった中で、ソーシャルメディアなども利用して市民運動をしようということにたどり着いた」 この活動には、来年2月に閉店する松本パルコも参加しています。 ■松本パルコ・斉藤博一 店長 「最後の年に松本城のプロジェクトに関わらせていただくことは縁も感じるし、最後にこういう形で役に立てる機会を得られたことをうれしく思う」 集まった資金は、城の保全や整備費にも充てられる予定です。