初日は富士山、2日目はラッキーのおかげ? それでも中野麟太朗が暫定首位に浮上【アジアパシフィックアマチュア選手権・2日目】
福住の話に上がった、初日2位タイでスタートした中野麟太朗。トップスタートが7時30分以降と決まった7時過ぎ、50ヤード先もわからない濃霧のなか打席練習場でナショナルチームのガレスコーチとトラックマンを使用してショットの調整。同じ時間に打席練習場にいた海外の選手は、ボールを追えない濃霧に向かって調整していたところを見ると、これも国内開催のアドバンテージかもしれない。
スタート時間がズレこむ中、一緒にスタートを待っていた午前組の福住たちと談笑や、軽食をとって時間をつぶしていたが、霧が少しでも晴れると打席練習場やパッティンググリーンでひとり黙々と調整。サスペンデッド後の囲み取材で中野自身は「ショットの調子がイマイチで、13番のチップインバーディ、15番の難しいバーディパットを含め、今日の3アンダーはラッキーでした」と話すが、この時間を無駄にしない姿勢が功を奏したのかもしれない。
中野自身がラウンドを振り返ると、「生命線ともいえるアイアンの精度はイマイチでしたが、ティーショットやパッティングは初日に続き、悪くない」とのことだったが、今日のハイライトは先に挙げた「13番のチップイン」「15番の難しいバーディパット」でもなく、単独トップに立った3番ホールのバンカーからのセカンドショットではないか。
風が吹き始め、辺りも暗くなり始めた3番のティーイングエリア。中野は初日イーグルを獲ったホール。オナーは世界アマランク4位のウェニー・ディン。正確なショットと、キャディをする父がラインを読むパッティングが武器の彼が今日初めてドライバーで手を離し、ボールは左ラフへ。それを見た中野はいつも通りジョン・ラームに似ているトップからドライバーを振り抜くも、ディンよりも盛大に両手を離し、ドライバーが地面に叩きつけられる。ボールは300ヤード地点にある右バンカーへ。「残りはピンが奥だったので281ヤード。届かないと思ったんですが、少しでもグリーンに近づけたくて3Wで打ちました。案の定、グリーンには届きませんでしたが、260ヤードくらい行ってくれて良かったです」と話す1打はティーショットのミスを帳消しにするスーパーショット。その後、左ラフに入れたディンのセカンドショットは水を含んだラフに食われ思ったほど飛距離が出ず、3オンの2パットのパー。対する中野は約20ヤードのアプローチをしっかり寄せ、薄暗くグリーンのラインが読みづらいなかしっかりバーディを決めた。