ドラ1指名を“引き寄せた”スマホの待ち受け 2度目の指名漏れ直後に即行動「そんな男いない」
竹田祐はドラフト解禁の昨秋指名漏れ、直後ホワイトボードにギッシリ…
ようやくたどり着いた夢舞台に、気持ちは高ぶった。DeNAの2025年度新入団選手発表会「BRAND NEW STAR EVENT 2025」」が7日、横浜市内の大さん橋ホールで行われた。即戦力として期待されるドラフト1位の竹田祐投手(三菱重工West)は「ハマのエース」と力強く記し、「投げる試合に全て勝ち、自分自身に勝てるような選手になれるように頑張ります」と宣言した。 【画像】ドラフト注目のはずが…まさかの1人だけ指名漏れ 目は虚ろで会見に臨む 明大4年時にプロ志望届を提出するも指名はなく、三菱重工Westに進んだ。ドラフト解禁となる2023年の1位指名を目指し、チームスタッフやトレーナーと相談しながら、球速や体脂肪率、体重など目標を達成するために必要なことを細かく設定してホワイトボードに書き込んだ。それを1年間やり通したが、名前が呼ばれることはなかった。 藤田和男担当スカウトが明かす。「関係者は、もしかしたらマイナスな雰囲気を出すのでは……と心配したらしいのですが、彼はもう一回『2024年ドラフト1位』という目標を立ててホワイトボードにやるべきことをギッシリ書き込んだ。それを写真に撮って携帯の待ち受けにして1年間過ごしたらしい。そこまでやれる男はいないなと思っていますし、彼のことを悪くいう人はいませんし、そういうところは男として尊敬しています」。 竹田は今でもホワイトボードの写真を待ち受け画面に設定している。「2023年はすごく悔しいシーズンになったので、プロの世界に行くのはラストチャンスだと思って毎日後悔のないように練習してきたので、その結果がドラフト1位になってよかったと思います」と“有言実行”に頬を緩めた。 悔しさを力に変え、ついに憧れだったユニホームに袖を通した。背番号は「12」。ファンを前に行われた会見では、無茶ぶりに応じてアカペラで平井大の「Anniversary」を熱唱する強心臓ぶりも見せつけた。 「小学生のころから夢に見ていたプロの世界で野球ができるのが楽しみです」と目を輝かせた竹田。開幕ローテーション入り、さらにエースの座へ、回り道が無駄ではなかったことを証明してみせる。
町田利衣 / Rie Machida