こじれた親子関係。わが子から完全無視、仕事や生き方さえも否定される母親。【NHK大河『光る君へ』#39】
平安の女たち、平安の男たちを描いた、大河ドラマ『光る君へ』の第39話が10月13日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。 【画像】NHK大河『光る君へ』#39
きょうだいの絆は唯一無二。惟規はまひろを思う頼もしい弟
まひろ(吉高由里子)と惟規(高杉真宙)はふたりで冗談を言い合ったり、お互いを気にかけたりと仲睦まじいきょうだいです。 惟規は根が暗くて、自分の心に正直なまひろに困惑させられることもあったはず…...。さらには、姉が道長(柄本佑)との間に子どもを授かるのだから気を揉むことも多々あったと思います。惟規は姉の性格を誰よりも理解し、姉の心にどんなときも寄り添っていました。 賢子(南沙良)が裳着を終えた日、まひろと惟規はきょうだい水入らずの会話をたのしみます。 惟規は「姉上の裳着の時は姉上と父上の仲は最悪だったな。父上と目も合わさない姉上 怖かったよ」と懐かしみつつ、「親子って変わらないようで 変わるんだよな…。」「だって 賢子の母上は姉上だけなのだから」「きっと… みんな うまくいくよ」と、娘との関係に悩むまひろを励まします。また、まひろが道長に賢子が彼の実子である事実を伝えていないことについても誰よりも気にかけています。 惟規がこの世を去ったのは従五位下に叙され、赤い束帯を着られるほどに出世した時期でした。彼がこの世を去ったことはまひろや為時(岸谷五朗)、賢子といった血縁者だけではなく、いと(信川清順)にとっても悲しいものでした。 いとは惟規に実母のような愛情を注ぎ、彼が偉くなる日のために赤い束帯をひそかに用意するほど楽しみにしていました。また、いとは自分が育てたのだから惟規はいつの日か偉くなるという自信もありました。いとにとって惟規は我が子のように愛おしい存在だったのです。 おおらかで、明るい惟規は多くの人たちから愛されるキャラクターでした。為時やまひろは楽観的で、寛容な彼にたすけられたことは多くあったと思います。