6本塁打の大阪桐蔭はドラフト候補”宝庫”…12奪三振の甲子園衝撃デビュー2年生左腕の前田悠伍は来秋ドラフトの目玉となる?!
センバツ高校野球の準々決勝4試合が28日、甲子園球場で行われ、大阪桐蔭が大会タイ記録となる1試合6本塁打と打線が大爆発して市立和歌山に17ー0で圧勝した。大阪桐蔭はドラフト候補の宝庫で、今大会初先発した“2年生四天王”の1人である左腕の前田悠伍は6回12奪三振の快投を見せ、元プロスカウトを「来年のドラフト1位で競合するだろう」と唸らせた。大阪桐蔭は明日の準決勝の第2試合で元メジャーリーガーのイチロー氏が指導した国学院久我山と決勝進出をかけて対戦する。
松尾捕手と海老根中堅手の2人もドラフト候補
“2年生四天王”の1人がついにベールを脱いだ。 ベスト4進出をかけた市立和歌山戦の先発マウンドを任された前田は、いきなり2点の援護をもらい、先頭の松村に10球も粘られたが、最後は切れ味の鋭いチェンジアップで三振に打ち取ると、三振ショーをスタートさせた。下位打線から始まる3回には三者連続で空振りの三振を奪うと4回二死の寺田から、5回は森、田嶋、山崎、6回の先頭の宮本までなんと5者連続三振。6回86球でマウンドを降りたが、最速143キロのスピンのかかった伸びのあるストレートにチェンジアップ、カーブ、スライダーの変化球を駆使して、わずか1安打の12奪三振、無失点のピッチングで甲子園デビューを飾った。 清原和博、桑田真澄のKKコンビを擁した1984年のPL学園に並ぶ1試合6本塁打が注目を浴びる試合となったが、西谷監督は、「長打が打てるチームではない。(6本塁打に)ちょっとびっくりしている。先発の前田はしっかりゲームを作ってくれた。前田は投げたくてうずうずしていたのではないか。(捕手の)松尾がしっかりとリードしてくれて直球と変化球のバリエーションが良かった。堂々と投げてくれた」と、この試合まで温存をしてきた2年生左腕を褒め称えた。 今大会は、花巻東の佐々木麟太郎一塁手、九州国際大付の佐倉侠史朗一塁手、広陵の真鍋慧一塁手の3人の左打ちの大型スラッガー、そして大阪桐蔭の前田と2年生にプロ注目の逸材が4人もいて“2年生四天王”と話題になった。だが、野手の3人は不発。前田だけが存在感を示してベスト4進出を果たすことになった。 “名将”故・野村克也氏の“右腕”として知られ、ヤクルト、阪神、楽天でコーチを務め、阪神ではスカウト、ヤクルトではドラフトの責任者の編成部長を務めた松井優典氏は、「4人の中では前田がトップ評価。今大会の投手のなかで前田がナンバーワン」と高い評価を与えた。 「前田は、ストレートの質、変化球のキレ、コントロールとすべてにおいてセンスを感じさせる。180センチの長身から投げ下ろすストレートには角度があり、低めでもボールゾーンから伸びてくるようなスピンの効いた球質が魅力。特にチェンジアップを左バッターに投げることができるところが注目点。三振を取れるボールだし、チェンジアップが効くと、さらに内角へのクロスファイアーの角度が増し打者は威力を感じるようになる。2年生投手とは思えぬ投球の幅を持っている。すでに出来上がっているが、投球フォームにも無理がないので、まだまだノビシロがある。来年のドラフト1位候補になることは間違いないだろう」