6本塁打の大阪桐蔭はドラフト候補”宝庫”…12奪三振の甲子園衝撃デビュー2年生左腕の前田悠伍は来秋ドラフトの目玉となる?!
松井氏は、開幕第2戦の阪神戦で7回無失点の好投を見せて今季初勝利をマークしたヤクルトの左腕エース、高橋奎二(24)が龍谷大付平安高時代にセンバツで優勝した当時、編成の責任者として見てきたが、「当時の高橋はまだ体もできていなかった。球種も豊富になかったし、当時の比較で言えば、すべてにおいて前田が上だ」と言う。 前田は、1年生の昨秋に明治神宮大会でV投手となり、ここまでの防御率は0,78。ほとんど打たれていないのも納得である。 「左腕は貴重でどこのチームも欲しい。前田は今すぐにでもプロのワンポイントで使えるんじゃないかというほどの完成度がある。あと2年でどれくらい成長していくかが楽しみ。投手が豊富にいる大阪桐蔭はベスト8まで前田を温存してきたようなチームだし大事に育てるのではないか」と松井氏。 来年のドラフトまでどう進化するのか。末恐ろしい大型左腕である。 そして松井氏は、「大阪桐蔭はスカウト目線で見てドラフト候補の宝庫。藤原(ロッテ)、根尾(中日)、柿木(日ハム)、横川(巨人)と4人がプロへ行った4年前の世代に負けないくらい選手が揃っている」と付け加えた。 松井氏がドラフト候補としてリストアップしたのは、「3番・キャッチャー」の松尾汐恩と、豪快な打撃フォームから7回に左中間に2ランを放った「5番・センター」の海老根優大の2人だ。 「松尾は、体(178センチ、76キロ)の強さがあり強肩でキャッチングもしっかりとしている。落ち着いた雰囲気もある。今大会はバッティングの調子(打率.167)が悪いが、パンチはありそう。そして目についたのはキャッチャーとしての打球への反応。キャッチャーフライが打ち上がったときの動きの速さに目を奪われ注意深く見ていると、すべての打球にキャッチャーとして反応しているのだ。こういう選手はなかなかいない」 松尾はボーイズリーグの世界大会に出場した中学時代はショートを守っていた。その経験と機敏さが捕手としてのフットワークにつながっているのかもしれない。高校通算で19本塁打を放っていてパワーもある。 「センターの海老根も大型外野手(182センチ、86キロ)で足と肩がある。守備を見ていても非常にスタートがいい。センスを感じさせる。独特の打撃フォームだが、バットスイングも速い。右の外野手は貴重だし、素材として将来性を感じる」 海老根は遠投110m、50m走6秒0を誇る強肩&俊足の外野手で、昨秋から4番を任され、市立和歌山戦では5番だったが、今大会もここまで打率.400をマークするなど打撃センスも抜群だ。父の恵太さんは現役の競輪選手で母は元陸上選手という最高のDNAを持つ。 大阪桐蔭は明日30日の準決勝で決勝進出をかけて国学院久我山と対戦する。プロ注目のドラフト候補がどんな活躍をするのか注目が集まる。 (文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)