またも波乱『ミツビシ・トライトン』がまさかのストップで首位陥落。最終日を目前に優勝絶望的に/アジアクロスカントリーラリー
AXCRアジアクロスカントリーラリー2024は前日のレグ4に続き、8月16日に行われたレグ5も波乱の展開に。またしてもトップ車両をトラブルが襲った。 【写真】荷台を失いながらもレグ5を走破し、総合首位に浮上した105号車トヨタ・ハイラックス レボ 前日の木曜からラリーの後半戦に入ったAXCR2024は16日(金)、カンチャナブリを起点とするループステージが設定され、この中のSS5でタイムアタックが行われた。SS5のステージ距離は今大会最長の228.87kmとなっている。 SS2とSS3を連日制しトップに立っていた塙郁夫(TOYOTA GAZOO Racingインドネシア/115号車トヨタ・フォーチュナー)がトラブルに見舞われた後、ラリー最終日を目前に控えたレグ5を総合首位で迎えたチーム三菱ラリーアートのチャヤポン・ヨーター(103号車ミツビシ・トライトン)。2002年王者は後続に対し大きなリードを持っていたため、この日は無理をすることなく順調にステージを走行していた。 しかし、ステージの最終盤で突然トライトンのエンジンがストップしてしまう。ミツビシの“エース”が乗る103号車は再スタートを切ることができず、ゴールまで残りわずか2kmの地点で万事休す。結局チームメイトの小出一登(137号車ミツビシ・トライトン)に牽引された状態でフィニッシュしたが、3時間のタイムペナルティを受け総合20番手まで順位を落としている。 ヨーターの脱落後、新たにラリーリーダーとなったのはTOYOTA GAZOO Racingタイランドのマナ・ポーンシリチャード(105号車トヨタ・ハイラックス レボ)だ。ピックアップトラックの荷台部分を失いながらも、チームメイトのナタポン・アングリッツァノン(114号車トヨタ・ハイラックス レボ)とともにワン・ツーでSS5を走破した彼は、後続車に対し13分31秒のリードを持って最終日を迎えることとなる。 これを追いかけるのは2台のいすゞD-MAX。この日もステージ4番手、5番手と安定した走りを見せたいすゞ・スパン・エクスプローラー・リキモリ・ラリーチームのスワット・ライジラピニャ(112号車)が総合2番手、市販車無改造部門(T2)首位に立つトンチャイ・クリンケー(106号)が総合3番手につけている。 総合4番手はレグ4でタイヤトラブルに見舞われ7番手に順位を落としたTGRインドネシアの塙だ。64歳のベテランはSS5でごぼう抜きを披露し、ステージ3番手タイムでフィニッシュ。トップと33分差のクラス3番手の位置まで戻ってきた。一方、チーム三菱ラリーアートの田口勝彦(107号車ミツビシ・トライトン)はミスコースや列車の通過待ちなどでタイムを失い、ステージ18番手タイムで競技5日目を終えた。総合5番手を維持したもののトップとは58分の差があるため、ここからの逆転優勝は現実的ではないだろう。 T2クラスにエントリーしている“前年覇者”の青木拓磨(TOYOTA GAZOO Racingインドネシア/101号車トヨタ・フォーチュナー)はSS5を10番手でフィニッシュ。総合では7番手/クラス3番手につけている。 いよいよAXCR2024の最終日となるレグ6は、ゴールの地であるカンチャナブリの北部エリアで行われる全長86.73kmのステージ(SS6)が戦いの舞台となる。 [オートスポーツweb 2024年08月17日]