国内最後の立山トンネルトロリーバスに別れ その歩みとは
KNB北日本放送
立山黒部アルペンルートはおととい、今シーズンの営業を終えました。老朽化などで「ラストイヤー」となった立山トンネルのトロリーバスは、惜しまれつつ最後の運行を迎えました。岸谷デスクの取材です。
■アルペンルートの旅を支えた トロリーバスの歩み
おととい、標高2450メートルの室堂ターミナルです。 岸谷「雪のため、富山側から上がることはできませんが、ここ室堂には、多くの人が訪れています」 先週末は雪で美女平からの高原バスが運休したため、長野県側から取材に入りました。 室堂駅にはトロリーバスの最後の姿を見届けようと、全国からファンが集まりました。 東京からの親子 父親「私が山が好きなので、立山に行ったりとか、剱岳に登ったり、その時に子どもも一緒に来て、それで結構頻繁に(トロリーバスに)乗っています。色もデザインも好きだったので、本当に残念です」 子ども(8歳)「5回位(乗った)」Qどんな言葉をかけたい「ありがとう」 立山トンネルのトロリーバスは、室堂と、標高2316メートルの大観峰の間、3.7キロを結んできました。1996年の運行開始から29年、利用者は累計で1992万人。 その特徴は、道路の上に張られた架線から、バスの屋根にあるポールで電気を得て走ることです。 法律上は「鉄道」の、この乗り物。かつて東京や大阪、名古屋などでも走っていましたが、1970年代初めまでに姿を消しました。 一方、アルペンルートでは、黒部ダムと長野県の扇沢を結ぶ関電トンネルで、ルート開業当初からトロリーバスを運行。 立山トンネルでも、バスの排気ガスによる環境への影響に配慮して、1996年にトロリーバスが導入されました。 しかし関電トンネルでは、車両更新のタイミングで2018年にトロリーバスが引退し、充電式の電気バスに切り替え。 国内最後のトロリーバスとなった立山トンネルでも、設備や車両の老朽化から今年限りで運行を取りやめ、来年からは電気バスが走ります。 訪れた人「トロリーポールで電気をとって走ると言うのはここだけなので、それに魅力を感じますね」「最後だから見届けようかと、そんな感じで来ました」