国内最後の立山トンネルトロリーバスに別れ その歩みとは
■「ありがとう」「さようなら」29年の歴史に幕
おととい午後3時、ついに最後の運行の時を迎えました。抽選に当選した200人が列をつくり次々と改札へ。 そして出発式では、関係者が「ありがとう」「さようなら」と書かれた横断幕をもってホームに並び、乗客は写真や動画を撮って名残を惜しみました。 立山黒部貫光 堀田淳一室堂運輸区長「やはり今年1年、正直具合の悪い車両もありました。何とか1年無事故でやれたことは誇りに思っています。(トロリーバスの運転は)誇りに思っていますし、良い宝物になるかな」 公共交通に詳しい専門家は「産業遺産」や「山岳観光の歴史」の観点から、トロリーバスの活用を提案しています。 地域公共交通総合研究所 研究員(富山大学出身)服部重敬さん「(トロリーバスが)富山にあって、それが山岳トンネルで非常に有効に使われていたということを、1つの歴史として、富山の交通史みたいな形で残されていくというのは非常に良いと思います。富山地方鉄道の電鉄富山駅が高架化するわけなんですけれど(高架下を)有効的に活用する、そのような場所に展示施設等作ってくれれば、立山へ行く観光客が時間のある時に見てもらえる」 惜しまれつつ運行を終えた国内最後のトロリーバス。その姿は、アルペンルートの歴史の一コマとして記憶に残っていきます。 立山黒部貫光は、今月下旬、来シーズンからトンネル内を走る電気バスの概要を公表する予定です。