フランス人の仕事始めは「1月2日」から。なぜ年末の大掃除や正月休みが存在しないのか
◆どう過ごす? フランスの年明け
ではそれほど短い年末年始のお休みを、フランスの人々はどう過ごしているのでしょうか。 一般的に大みそかの夜は、恋人や友人といった親しい仲間たちと集まることが多いです。若い世代であれば友人たちとにぎやかなホームパーティーを、ご年配であればパートナーやご近所さんと自宅で穏やかな時間を過ごします。 筆者が過去に参加したフランス人同士のパーティーは、シャンパンやスナック菓子、スティック野菜などが用意された「家飲み」に近い雰囲気で行われました。集まった人々はカップルや友人、そしてその同僚たち。日付が変わる直前には、皆で大騒ぎしながらカウントダウンを始めたことを覚えています。 一方、パートナーと穏やかに元日を迎える場合は、いつもより少しだけ豪華なディナーを用意します。ただフランスの人々は、クリスマスで力を使い果たしてしまうせいか、大みそかから元旦にかけては無理をしない傾向があるようです。 その際に活用するのが、レストランのテイクアウト料理。「レヴェイヨン(大みそか)ディナー」と呼ばれるメニューでは、生牡蠣やフォアグラ、サーモンのムニエルやローストチキンなど、クリスマスディナーと似た料理が並びます。 とはいえ、年末年始の料理に大きな決まりはありません。フランスの人々は食事や習慣よりも、「誰と過ごすか?」を重要視しているイメージです。
◆正月ボケも正月太りもない
1月2日からは、日曜日でなければお店もレストランも全てが元通りになります。 フランスの年末年始休暇は元日のみ。よって、日本のような「正月ボケ」や「正月太り」は存在しないと言えます。もちろん、お年玉や初詣といった特別なイベントもないので、日本人にとっては少し寂しい光景が広がるかもしれません。 「欧米のクリスマスは家族と過ごす」とは、日本でも広く知られた事実です。ところがフランスの正月は日本と逆で、たった1日の祝日で全てが終わってしまいます。1月6日の「エピファニー(公現祭)」には「ガレット・デ・ロワ」と呼ばれるケーキを食べる習慣があるものの、しっかりとした休暇を挟む日本に比べれば、新年が本格的に始まったという実感を得にくいのが正直なところです。 そんな習慣が根付いているフランスの人々にとっては、年末年始休暇がわずか1日だけというのはごく当たり前のこと。多くの人が「クリスマス前から休めるのであれば休みたい」と感じていますが、実際にはカレンダーの決まりに従わざるを得ない、というのが本音のようです。 この記事の筆者:大内 聖子 プロフィール フランス在住のライター。日本で約10年間美容業界に携わり、インポートランジェリーブティックのバイヤーへ転身。パリ・コレクションへの出張を繰り返し、2018年5月にフランスへ移住。2019年からはフランス語、英語を生かした取材記事を多く手掛け、「パケトラ」「ELEMINIST」「キレイノート」など複数メディアで執筆を行う。
大内 聖子