グループAのころにゃなかったぞ! おじさんファンにはちんぷんかんぷんなイマドキ「レース用語」10選
ステイアウト
セーフティカーの導入時、あるいは全周イエローフラッグなどで周回速度が低く抑えられた走行環境で、ピットインせずにそのまま周回を続ける状態を指す。低速周回時はピットインによる作業、燃料補給やドライバー交替などに要する時間を稼げるため、一般的にはこのタイミングでピットインするケースが多いが、ステイアウトすることで走行ポジションを上げたり、確保しようとするチームが採る作戦だ。
トラックリミット
文字どおりトラック(走行コース)にリミット(制限)があることを示した言葉で、具体的にはコーナーのイン/アウト側に設けられたゼブラゾーン(コンクリートカーブ)を意識的に踏んで走る、あるいはまたいで走ることに対し、ペナルティが科せられることを指す言葉だ。ただ、意識的か不可抗力であったかは競技委員会の判断によるもので、その結果ペナルティの有無が決定する。
フリーストップ
ピットイン(インラップ、アウトラップ、ピット作業)によって順位変動(=順位を下げる)が生じないピットストップのことを指す。この場合のフリーは、フリーチャージ(無料)などと同じ意味で、ピットストップによる代償(順位の低下)を払わないで済むことから使われている。
グレイニング
タイヤのトレッド面がささくれ立つ摩耗状態を指す言葉だ。トレッド面に小さな毛玉状のゴム粒子(グレイン)が生じ、これがトレッドの平面性を失わせ、接地面の減少からグリップ力の低下を生じさせることになる。この現象は、運転方法ではなくトレッドコンパウンドと路面温度との不整合によって起こる場合が多い。
スキッドブロック
車体のアンダーパネル(床面)に装着された棒状、板状のパーツで、車体下部のフラットボトム形状によるダウンフォース発生の低減を意図する車両規定だ。なお、レース中にスキッドブロックと路面が接触、スキッドブロックが摩耗して所定の厚みが保たれていない場合、規定違反としてペナルティの対象になる。このため、路面との干渉を避けるために車高を下げることができなくなり、結果的にダウンフォースの抑止効果も併せもつ。