グループAのころにゃなかったぞ! おじさんファンにはちんぷんかんぷんなイマドキ「レース用語」10選
ディプロイメント
回生エネルギーのことを指し、2014年以降のF1で使われるようになった言葉だ。回生エネルギー(ディプロイメント)には2種類あり、MGU-KとMGU-Hに分けられている。MGUはモーター・ジェネレーター・ユニットの略で、Kはキネティック(運動エネルギー=ブレーキ回生)、Hはヒート(排熱エネルギー=排気タービン発電)のことを指している。
DRS
DRSとはドラッグ・リダクション・システムのことで、走行するマシンのリヤウイング角度を意識的に変更して空気抵抗を減らすシステムのことを指す。通常はダウンフォースを増す目的で装備されるリヤウイングだが、直線走行時にはこの角度が抵抗となって最高速の伸びを妨げることになる。この対策として直進時にウイング角を変えて最高速が伸びるようにしたシステムだが、作動可能な状況はFIAによって厳しく制限されている。 かつては、排気量や車体サイズ、重量など、競技や車両を規定する要素は少なく、特別な用語もなかったのだが、レースカーを構成するいろいろな力学の進歩や環境性能が重要視されるようになった現代、当時では考えもつかなかった規定やメカニズムが登場。ここで触れた10項目も、こうしたモーターレーシング史進化の1ページといえるだろう。
大内明彦