【40代50代にこそ大切な「自分軸」の作り方とは?④】思考のクセを手放すヒント
年齢を重ねると、「~しなければ!」「~すべき!」という思考に陥る人は少なくない。人生を頑張ってきた人ほど、その経験則から、つい自分の正しさにこだわってしまうのかも。 でも、自分の頑なさにはなかなか気づけないもの。無意識の領域を扱うセラピストOCO(オコ)さんに、そんな思考のクセから解放されるヒントを伺った。
「ねば・べき」思考は、自身や他者からの刷り込みと、強いこだわりから生まれる
人間の意識を100%とすると、自分で自覚できる顕在意識はたったの5%。残り95%は、無自覚の潜在意識であると言われている。著書『わたしの解放ガイド』で話題のセラピストOCOさんは、その心のしくみから、95%を占める潜在意識にこそ、生きづらさから解放されるヒントがあると言う。 ──── やはり人は年齢を重ねるほど、思い込みが強くなり、頑固になってしまうものなのでしょうか? OurAge世代は仕事などでキャリアを積んでいる人も多いだけに、自分のやり方、これまでの成功体験などにもこだわりがあり、その分「ねば・べき」思考が強くなっている人も少なくないように感じます。 OCO:まずお伝えしたいのは、自分の心の内側に意識を向けるということです。他者を変えようとするのではなく、自分がどうありたいかを整理することが、肝心要のポイントです。 そのためには、「他者をコントロールすることはできない」「他者を自分の都合で変えることもできない」という大前提の事実を、きちんと理解する必要があります。あくまでも自分の心にある頑なさ、思い込みを見つけるヒントとして、お話をさせてください。 ──── 他者の言動にフォーカスするのではなく、自分の心にあるものは何かを見つめる、という作業ですね。すると、自分は他者に対して、何らかの思考のクセを持っているんだ、ということに気づけるようになりますか? OCO:そうですね。人間は誰しも、自然に自分の願いや希望を叶えたいという欲求を持っています。自らで行動し、段階を追って実現していく方法には、プラスのエネルギーが働きます。一方で、他者をコントロールして欲求を満たそうとした時には、不可能であるという事実と満たされない感覚、マイナスのエネルギーに直面します。 もし、身近な人との人間関係が円滑に進まない…など、日常生活の中でストレスを感じているならば、少し立ち止まって自分と他者を一度切り分けて、“わたし自身”に意識を向けてみましょう。「自分を苦しめている考え、思い込みはないだろうか?」という視点で、ご自身を振り返るタイミングを迎えていると言えるのかもしれません。 そして「ねば・べき」思考が強いなどの頑なさについては、自身や他者からの刷り込みが大きく関係しています。別の表現に言い換えるとするなら、「強いこだわりがある」ということです。そのこだわりが、その人を支えるということ以上に、その人自身を縛っている状態であり、また他者をも無自覚に縛ったり、押し付けたりしてしまっている状況です。ともするとそのこだわりは、あらゆるネガティブ感情の引き金になってしまうことが多くあるのです。その中でも、とりわけ問題となりやすいものが、怒りの感情です。