オープンAI、待望の動画生成サービス「Sora」をリリース
(ブルームバーグ): 米オープンAIは9日、言葉によるプロンプト(指示文)からリアルな映像を生成する人工知能(AI)サービス「Sora(ソラ)」を一般に提供する。プレビューから10カ月近くを経て、対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」の有料ユーザーを対象に米国などでロールアウトする。
ソラは最長20秒の動画を生成でき、複数のバリエーションを提供できる。オープンAIがライブ配信で明らかにした。
映像の自動生成はゼロの状態から作るより時間やコストを節約でき、映画産業で就労する人々の生活を根底から変える可能性がある。ピカやハイパー、ランウェイなど、そうしたツールを提供するスタートアップ企業は増えており、オープンAIはソラでこの流れに追いつこうとしている。ランウェイは最近、米映画大手ライオンズゲートと提携し、新たなAIモデルのトレーニングや映画製作での技術活用方法を模索する方針だ。
オープンAIは2月のプレビュー以降、映画スタジオやメディア幹部、タレント事務所に接触し、会合を重ねてきた。また数々のアーティストをはじめ少数の著名な俳優や監督にアクセスを許可し、サービスの試用を促してきた。
初期段階のソラには明らかな弱点があった。ブルームバーグ・ニュースによる早期テストでは、身体の部位把握や物理の法則理解が苦手なことが分かった。画像生成やチャットボットに慣れたユーザーにとって、ソラの動画生成は時間もコンピューティングパワーもはるかに必要とすることも明らかになった。
ソラの利用は少なくとも最初の段階では限定されている。月額20ドル(約3000円)を払うチャットGPTプラスのユーザーは、月に50本まで生成することができると、サム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は話した。月額200ドルを払うチャットGPTプロのユーザーは、「低速」生成なら無制限に、高速生成なら500本まで動画を作成できるという。