第二次石破政権のカギとなるのは「来夏の参院選」 総選挙で与党大敗の理由をジャーナリストが解説
10月27日に衆議院議員選挙の投開票がおこなわれ、連立与党を構成する自民党、公明党の議席が過半数を割り込みました。自公が過半数に達しないのは2009年以来15年ぶりです。11月11日には第2次石破内閣が発足しましたが、今後の課題は何でしょうか? 小中学生向けのニュース月刊誌『ジュニアエラ2024年12月号』(朝日新聞出版)からお届けします。※前編<第103代石破茂首相ってどんな人? 子どものころの夢は「車掌さん」「学校の先生」>から続く 【図】衆議院と参議院のしくみをおさらい ■総裁選中とちがう発言や行動で、石破首相にとって厳しい船出に 9月27日の自民党総裁選で新総裁に選ばれた石破茂・衆議院議員は10月1日の臨時国会で第102代の首相に選出されました。5度目の総裁選への挑戦で、石破氏は念願の首相の座を射止めました。 ただ、石破首相の船出は厳しいものになりました。総裁選の期間中とちがう発言や行動が次々に明らかになったためです。 たとえば衆議院の解散総選挙※の時期について、総裁選中には国会の予算委員会で質疑をおこなってからと言っていましたが、予算委員会の質疑をおこなわずに10月9日に衆議院を解散し、10月27日に総選挙をすることにしました。 また、首相に就任すると持論だった政策を語らなくなり、それまでの自民党政権がおこなってきた政策を基本的に引き継ぐとしました。 石破首相はこれまで党内の非主流派にいて自分が理想とする政策を自由に語っていたのですが、いざ首相になってみると、党内に敵が多い現実にたじろぎ、自分の理想をひっこめざるを得なくなったとみられます。 ■総選挙で自民・公明党は大敗 来年夏の参議院議員選挙に注目 総選挙にあたっては、自民党が派閥裏金事件に関与していた議員を候補者として公認するかどうかでも揺れました。結局、世論の反発により一部を非公認としましたが、選挙期間中に非公認の候補者の政党支部にも党本部からお金が送られていたことが明らかになり、世論の反発をさらに招きました。