救急車出動「負担金」が一部自治体で導入 軽症搬送歯止め効果も、専門家「丁寧な説明を」
市の担当者は、全体的な傾向まではまだ見えていないとしながらも、「医療機関の適正受診につながり、持続可能な救急医療体制の整備に寄与していることが確認できた」と評価する。
■一方で、要請ためらうケースも想定
取り組みに一定の効果が見えたことで、今後導入を検討する自治体が増える可能性がある。ただ、救急車の要請に料金負担がかかれば、真に要請が必要な患者が控えてしまう懸念もある。導入自治体では要請するか判断に迷う場合、電話相談窓口などの利用を呼びかけている。
患者搬送のあり方を研究する日本搬送学会の後藤玲司事務局長は「『救急車が有料になった』と誤解される可能性もあり、丁寧な説明が必要だ」とし、「患者によっては電話相談もためらうケースも想定される。スマートフォンアプリなど、相談体制の充実が求められる」と指摘した。(秋山紀浩)