第94回選抜高校野球 甲子園に響け♪独唱 桐光学園・板戸耀央さん、18日の開会式で君が代 /神奈川
<センバツ高校野球> 18日に阪神甲子園球場で開幕する第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社など主催)の開会式で、桐光学園高校3年の板戸耀央(あきひろ)さん(18)が君が代を独唱する。同校からは初めての選出で、「選ばれてとても光栄。選手たちへの応援の気持ちを込めて歌いたい」と意気込んでいる。【牧野大輔】 板戸さんはピアノの先生をしていた母の影響で、幼い頃から音楽に親しんできた。桐光学園中学校入学後、合唱部顧問の上田武夫教諭(59)から「声が良い」と誘われて入部。先輩たちの歌声に魅了され「自分もうまくなりたい」と本格的に練習に取り組むようになった。 新型コロナウイルスの影響で部の活動が一時休止となる中でも自宅や音楽室で個人練習を重ねた。昨年開催された第75回全日本学生音楽コンクールでは、声楽部門高校の部で1位に輝いた。 高校卒業後は音楽大学に進学する予定で「大学で知識や技術を磨きたい」と語る。将来の夢は「感動よりも大きなものを伝えられるような、世界で活躍する歌手」になることだ。 上田教諭は「楽器(声)として元々とても良いものを持っていて、1教えたら2、3できるような音楽的センスの高さがある」と評価。同学園中・高の合唱部員は約70人おり、板戸さんがセンバツで歌うことで「周りの部員も『自分も甲子園で歌えるかもしれない』と刺激になったらいい」と期待する。 本番まであと2日。板戸さんは「今まで経験したことがないような広い会場で歌うので緊張している」と話す。これまで甲子園に行ったことはないが、過去の開会式の様子などを動画投稿サイト「ユーチューブ」で見てイメージを膨らませているという。 ◇「感謝を込めて」 今大会の開会式は新型コロナ対策のため簡素化され、開幕日に試合をする6校だけが参加する。「大会が開かれ、甲子園で自分が歌うことができるのも、支えてくれた多くの人たちがいたからだ。その人たちへの感謝の気持ちを込めて歌いたい」。春の甲子園球場に伸びやかな歌声を響かせる。