学校の先生は「夏休み」に1ヶ月以上休めるの?→実は夏季休暇は「会社員」とあまり変わらない!? 授業がない期間の仕事についても解説
「学校の先生も、生徒と同じように夏休みは1ヶ月以上休んでいるのかな?」、「先生たちは、夏休み中に何をしているんだろう?」。このような疑問を持ったことがある人は多いのではないでしょうか。「学校の先生は生徒と一緒に長い夏休みを満喫している」と思われがちですが、実際にはどうなのでしょうか? 本記事では、先生たちの休暇の過ごし方や、夏休み中にどのような業務があるのか、そして給与はどうなっているのかなど、学校の先生の夏休みの実態について詳しく解説します。 ▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!
学校の先生の夏休みはどれくらい?
「学校の先生は夏休み、授業がないから1ヶ月近く休めてうらやましい」と、先生の夏休みに対して「長い休暇」というイメージを持つ人は多いかもしれません。生徒たちは約1ヶ月半の夏休みを過ごしますが、果たして先生たちも同じように休むことができるのでしょうか? 実際には、学校の先生にとって夏休みは「休業日」であり、授業がない期間という意味合いが強いです。この「休業日」は、先生にとっては勤務日であり、出勤義務があるのです。一方で、法律で定められている年間20日の有給休暇と、7月から9月の間に取得できる「夏季特別休暇」(いわゆる「夏休み」)が5日間あります。 教職員向けのアンケート調査によると、中学校や高校の先生の多くは、夏休み期間中の平日の大半を学校で過ごしています。特に中学校では、約6割の先生が平日の7割以上の日に出勤しているという結果になっています。
学校の先生の夏休み中の給与は?
公立の学校の先生は地方公務員であり、夏休み期間中も給与は通常通り支給されます。これには、夏休みがあくまで「休業日」であり、勤務日であることが関係しています。そのため、先生たちは生徒の夏休み中も通常の勤務を行っており、給与に関して特別な減額や増額はありません。
生徒の夏休み中、学校の先生は何をしているの?
生徒が休暇を楽しんでいる間、先生たちはどのような業務を行っているのでしょうか。実は、夏休み中の先生は授業がなくても多くの業務に追われています。夏休み中に行われる主な業務を紹介します。 1.部活動の指導と大会引率 夏休みは部活動の大会が多く開催される時期です。特に中学校や高校では、スポーツ系の部活動だけでなく、文科系の部活動でも大会が行われます。先生はこれらの大会で生徒を引率し、指導にあたります。 週末に大会がある場合、平日に振替休日を取ることもできますが、これを行わずに連続で出勤する先生も少なくありません。 2.校内研修や教育委員会主催の研修会 夏休みは、先生にとってスキルアップのための研修を受ける貴重な期間です。市や県の教育委員会が主催する研修や、校内で行われる現職教育の研修に参加することで、指導技術の向上を図ります。 これらの研修は通常、授業が行われている期間には時間を取ることが難しいため、夏休みを利用して実施されます。不登校対策やいじめ対策に関する研修、ICT教育の活用方法に関する研修など、内容は多岐にわたります。 3.校内整備と書類の整理 夏休み中は生徒がいないため、校内整備や書類整理が行われる絶好の機会です。例えば、危険箇所の修繕や備品の点検、学校行事の準備などが行われます。具体的には、運動会や文化祭の準備、教室の整備、校内掲示物の更新など、普段の忙しい日々ではなかなか手が回らない作業が中心となります。 4.2学期以降の準備 夏休みの後半には、2学期に向けた準備が本格化します。運動会や文化祭、学習発表会や公開授業など、多くの行事が控えている2学期の準備を、夏休み中に進めておく必要があります。中学校では、2学期に実施される定期テストの準備が重要です。 テスト範囲を決定し、問題を作成することで、授業の進行をスムーズに進めることができます。特に中学3年生の場合、3学期はほとんどが受験対策に充てられるため、夏休みの間にしっかりと計画を立てることが求められます。 5.余暇を楽しみリフレッシュ もちろん、先生も自身の夏休みを利用してリフレッシュする時間を持つことが重要です。1年間で付与される有給休暇のうち、夏休み中に取得できる「夏季特別休暇」を利用して、家族旅行や趣味の時間を楽しむ先生もいます。 学校によっては、「学校閉校日」として一斉に休みを取る期間を設定しているところもあり、この期間を利用して旅行に出掛ける先生も多いようです。夏休みの後半やお盆の時期は、学校行事が少ないため、比較的休みを取りやすい期間となっています。