久遠チョコレートの奇跡~20年の格闘の物語
今、夏目はチョコレート作りを選んでよかったと感じている。「『失敗してももう一回溶かせばいい』というのは、チョコレートからもらった大きな力です」。
障害者が自立できる店作り~久遠チョコ驚きの採用術
夏目がやってきたのは北海道・北広島市の話題の「エスコンフィールドHOKKAIDO」。その球場内に久遠チョコレートの新業態ソフトクッキーの店「ABCDEfG~タケシとQUONのお菓子な関係~」がある。 この日は店舗で働くスタッフの面接があった。面接にやってきた土屋広太さんは軽度の知的障害があるという。 面接では「どんな作業ができるのか」など、細かく聞いていくのかと思うと、結構リラックスした雰囲気。土屋さん最後に得意なこととして「ヒューマンビートボックス」を披露。そしてあっけなく採用が決まった。 採用基準は、「働きたい意思があるか」だけだという。 「面接でずっと40分間うつむいていた人もいましたが『働きたい』という思いが伝わってきた。採用しました」(夏目) 夏目は、働く意思がある人材と向き合い、どうすれば仕事を生み出せるのかを考えてきた。 パウダーラボで働いて2年半が経つ荒木啓暢は、今では久遠チョコレートに欠かせない人材となっている。たまに様子を見に来る母親の登喜子さんやヘルパーの支えはあるが、現在では一人暮らしをしている。 「夏目さんが『どんなに重度の障害でも働きたいなら訓練します』と言ってくれた。(働いてから)ガラッと変わりましたし、親では与えられない部分だと思いました」(登喜子さん) 久遠チョコレートは全国に拡大している。福岡・直方市の「QUONチョコレート」直方店は3年前にオープンした。この店はフランチャイズ店。年商6000万円を稼ぎ、地域での障害者雇用の重要な場になっている。 かねてから久遠チョコレートのファンだったというオーナーの川口奈緒子さんは「久遠チョコレートに参画したくてたまらなかったので、楽しいです」と言う。 ※価格は放送時の金額です。