阿部詩 パリの慟哭から笑顔で帰国「東京からこの3年間、やっとひと区切り付いた」気持ち新たに28年ロス五輪へ雪辱誓う
パリ五輪の柔道日本代表が6日、羽田空港に到着し、帰国した。多くのファンから温かい歓声を受け、空港内で会見を開いた。個人種目では女子52キロ級で東京五輪に続く連覇を目指しながらも、涙の二回戦敗退に終わった阿部詩(24)=パーク24=が、28年のロス五輪でリベンジを誓った。また男子66キロ級で連覇を達成した兄の一二三(26)=パーク24=や、女子48キロ級で金メダルを獲得した角田夏実(32)=SBC湘南美容クリニック=らが大会を振り返った。 【写真】カップルみたい 阿部一二三が詩の腰に手を回すクールな2ショット もう振り返ることはしない。約2週間のパリでの激動の日々を終えて、詩の表情は少しだけ吹っ切れたように見えた。空港の到着口を出ると、出迎えたたくさんのファンから「お疲れさま!」、「よくやった」とねぎらいの言葉を受け、その言葉にほほ笑みで返した。 「東京からこの3年間、やっとひと区切り付いたんだなと(パリから)帰ってきて思った」 兄の一二三とともに東京五輪に続く、史上初のきょうだい同日連覇を目指したが、ケルディヨロワ(ウズベキスタン)にまさかの一本負けを喫し、2回戦で敗退。現実を受け入れがたい悪夢の黒星に泣き崩れた。それでも、柔道大国の観衆は温かく、引き揚げる際には「ウタコール」と大きな拍手が鳴り響いた。 そこから折れかかった心を立て直し、混合団体戦に出場した。初戦のスペイン戦で先鋒を務め、合わせ技の一本勝ちで再出発の確かな一歩をしるした。 首に掛かったのは銀メダルのみと、実績を考えれば少し寂しい結果となった。それでも、日本の女子柔道を先頭で引っ張ってきた存在だけに、いつまでも屈辱を引きずっているわけにはいかない。「今回は悔しいオリンピックになったが、またロスに向けてリベンジしたい。応援よろしくお願いします」と力を込めた。気持ちを新たに背筋を伸ばし、改めて28年ロス五輪に向けて雪辱を誓った。