“持続可能な新エネルギー”、海洋深層水のサミットを高知県室戸市で開催 銀座の高知県アンテナショップには「海洋深層水の恵みコーナー」
「海洋深層水」は近年、飲料水や加工食品への利用だけでなく、“地球環境に負荷をかけない持続可能な新エネルギー資源”として各国が研究開発に注力し始めている。その一例が、海洋深層水を活用した「海洋温度差発電」(OTEC)。環境負荷の少ない持続的な電力供給を実現する“夢の発電システム”として期待されている。また、省エネで高品質な食料生産に向け、養殖漁業や農業などに活用されている。 海洋深層水に世界中から注目が集まる中、高知県室戸市で10月17日(木)~19日(土)にかけて、「海洋深層水サミット2024室戸大会」が開催される。海洋深層水利用学会の研究者や取水地の全国自治体協議会が初めて一堂に会し、最新の研究内容や各地域での利活用の現状などが報告される。 室戸市は、1989年に海洋深層水の日本で最初の取水地となり、高知県では、深層水を使った商品の製造が盛んに行われてきた。サミットの開催を記念し、東京・銀座一丁目にある高知県アンテナショップ「まるごと高知」では、サミットの初日10月17日(木)から11月30日(土)まで、「海洋深層水の恵みコーナー」を設置し、海洋深層水を活用した食品などをPR販売。これまで研究の積み重ねによって誕生した海洋深層水仕込みの飲料水やミネラルを豊富に含む塩、菓子類などを取りそろえる。 海洋深層水とは、水深が200mより深いところにある海水の総称。海面の表層部に比べて水温が低くて汚染物質も少ないうえに、太陽光が届かないため、植物プランクトンの光合成も行われない。そのため、プランクトンの栄養源となる無機栄養塩(ミネラル)が消費されずに残っている。栄養が豊富(富栄養性)で、クリーン(清浄性)で、冷たい(低温安定性)というのが、海洋深層水の特徴。これまでの臨床試験の結果から、深層水を日常的に飲用することで、腸内環境を整える効果が期待されることなどが分かっている(室戸海洋深層水機能性評価事業による「腸管免疫への効果の検証」より)。健康促進に関するさまざまな研究は、継続的に行われており、年々新しい可能性が明らかになっているという。