柄本佑がたどり着いた「光る君へ」道長とまひろの関係
吉高由里子が紫式部(まひろ)役で主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で平安貴族社会の最高権力者として語り継がれる藤原道長を演じる柄本佑。10月25日にクランクアップを迎え、本作の軸として描かれてきた主人公まひろと道長の関係を振り返った。 【画像】「行かないでくれ!」まひろにすがる道長 平安時代に、のちに1000年の時を超えるベストセラーとなる「源氏物語」を生み出した紫式部の生涯を、大河ドラマ「功名が辻」(2006)や、吉高と柄本が出演したドラマ「知らなくていいコト」(2020・日本テレビ系)などラブストーリーの名手としても知られる大石静のオリジナル脚本で描いた本作。まひろと道長は初回、幼少期に出会い、まひろは下級貴族、道長は上級貴族と身分差がありながらも偶然の再会を繰り返し、道長はまひろと交わした「民のための政を成す」という約束を果たすために左大臣へと上り詰め、第44回では摂政も兼務するようになった。
ドラマの中で特に注目を浴びているのが、まひろと道長の関係。とりわけ、まひろが道長の子・賢子を産むオリジナル展開は大きな反響を呼んだ。まひろがこの事実を道長に告げることはなく、果たして道長は賢子が自身の娘であることに気づいているのかと視聴者から強い関心が寄せられていた。第45回ではまひろが道長に大宰府に旅立つことを告げた際、初めて、賢子の実父が道長であることを告白した。柄本自身、演じるうえでこの点をどう捉えていたのか?
「賢子に関しては、僕自身は気づくだろうと思っていたんですけど、演出の中島(由貴)さんは“とにかく道長は気づかないよ”とおっしゃっていました。1回、気づいているのかなというムーブがあったんですけど、“今のだとちょっと気づいている感じに見えるから、それはやらないで”みたいな指摘を受けることもあって。45回で、道長が大宰府に発つというまひろに“行かないでくれ”と言うんですけど、道長はとにかくまひろなんですよね(笑)。『光る君へ』の道長って、割とまっすぐというか少年のようなところがあって。(正妻の)倫子のところに行ったらこんなことになっちゃった、(もう一人の妻)明子のところに行ったらこっちはこっちでこんなことになっちゃった。内裏で寝ーよう! みたいな(笑)。結局、倫子とも明子とも向き合っていなくて、僕自身はマズいな~と思っていましたけど、台本でそうなっているからしょうがないなと思いながらやっていました(笑)。でも、そういったところが道長の大らかさに繋がればいいなとも思っていました」