輝け第2回「イグ家電大賞」2024が決定!
カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです 【画像】ドウシシャ「スーパーゴリラのひとつかみ」 今年も「イグ・ノーベル賞」が発表されました。なんと、18年連続日本人が受賞したそうで、世界一イグ・ノーベル賞がメジャーな国なんじゃないか日本! (今年の日本人受賞は「ブタなどの動物はお尻で呼吸する能力がある」)。というわけで、今年もユニークな家電に贈られる「イグ家電大賞」(2024)を発表します。 ■ 物理学賞:「スーパーゴリラのひとつかみ」 「弱でも痛い」とSNSで話題になった「ゴリラのひとつかみ」のパワーアップ版。「最初は痛かったけど慣れると物足りない」という声に応えて発売されました。「骨が弱い人(骨粗しょう症の人)は使用しないでください」との注意書きがあるように、物理的に危険なブツともなっています。ちなみにゴリラの握力は、人間の12倍にあたる400~500kgf(重量キログラム)だそうで、名前的にはまだまだパワーアップの余地あり。「ハイパーゴリラのひとつかみ」やら「ゴリラのマジつかみ」まで、さらなる続編を期待したいところです。 ■ 化学賞:「Jackery SolarSaga Barrel Tile」 高効率曲面結晶シリコンを採用した瓦型のソーラーパネル。「屋根にソーラーパネルを設置するスペースがない? なら瓦をソーラーパネルにしてしまえばいいじゃない!」という発想の実現化です。今年度より欧米にて生産が開始される予定。立派なお屋敷を持つ地方の名士などに導入してもらい、「瓦と見た目が変わら(かわら)ないようで発電してます」とダジャレを言ってほしい。 ■ 経済学賞:「デコール セイコー からくり時計 輪舞」 税込1億6,500万円のからくり時計です。経済って、数字が大きいほど価値がありそうな概念なので経済学賞。これが難なく買える人ってのは、経済のカラクリも知り尽くした人なんでしょうか。ちなみにイーロン・マスクの資産は48兆円あるらしく、資産1億の人と比べても48万倍で、1億6,500万円を割ると約344円とチプカシよりも相対的に安くなります。ひとつ確かなのは、金持ちであれ貧乏であれ、時は同じように刻まれます(相対性理論とか持ち出さなければ)。 ■ 医学賞:「ViXion01S」 自分の目に代わってフォーカスを自動調節してくれるアイウェア。近くと遠くの視線移動をしたときに一瞬で焦点が合います。老眼や(白内障手術などで)水晶体を削った人などには朗報になり得るアイテムです。いずれは、スマホやボトムズのように、広角や望遠など複数のレンズを目に装着する未来がやってくるような気もします。 ■ 生理学賞1:「カイジシリーズ キンキンに冷えたビール製造機」 氷と塩をセットし、回転させることで、缶ビールをキンキンに冷やすことができるアイテム。製品名は、マンガ「賭博黙示録カイジ」の名台詞から。ビールの適温は夏で4~6℃、冬で6~8℃といわれているので、常温(約20℃)のビールが、3分後約1.5℃に、5分後約-1℃になるのは、かなりのキンキンレベル。キンキンに冷えたビールを「ありがてえっ」「うますぎる」と感じてしまう人間の生理は必然なので生理学賞。 ■ 生理学賞2:「エレキソルト スプーン」 生理学賞の2つめは、電気の力で塩味やうま味などを増強させるスプーン。こちらは、2023年のイグ・ノーベル賞を受賞した明治大学・宮下芳明教授の研究室との共同研究から生まれた製品。本家イグ・ノーベル賞からの製品化というわけで敬意を表して授与いたします。 ■ 文学賞:「畳スピーカー TTM-V20」 熊本県八代産の畳にボディソニックスピーカーを4基内蔵。音源はBluetooth経由で再生されます。寝転べば身体全体で音楽を感じることができるそうです。オーディオルームにでかいスピーカーを設置するより、和室の畳をスピーカーにしてしまうのが日本の粋、なんですかね? 江戸時代の人が体験したらオカルトだよな、とかいろいろ想像が膨らむので文学賞。 ■ 平和賞:「扉につけるお知らせライト」 ドアを勢いよく開けて、反対側にいた人にぶつけてしまう。もしくは、突然ドアが開かれてビックリする。そんな誰にでもある経験を未然に防ぐのが、ドアの反対側に人がいることをライトの点滅でおしらせしてくれるこちらの製品。小さいかもしれないが事故や無用な争いを確実に防げるので、イグ家電大賞の平和賞を授与します。
家電 Watch,小口 覺