「春高」逃した高校生に粋なプレゼント、3年生に引退試合用意「夢をかなえるエネルギーに」Vリーグ女子カノアラウレアーズ福岡 元日本代表セッターの母校がエキシビションマッチ登場
暮れも押し迫った2024年12月27日、福岡県の田川市総合体育館で開催されたバレーボールVリーグ女子のカノアラウレアーズ福岡―倉敷アブレイズの試合前に、高校生のエキシビションマッチが行われた。 ■誠修高Wキャプテンがハートポーズ【写真】 対戦したのは誠修高(福岡県大牟田市)と薩摩中央高(鹿児島県さつま町)―。未来ある女子バレーボーラーに「Vリーグと同じコートでプレーする機会を通して、夢をかなえるためのエネルギーにしてほしい」との願いを込めたカノアからの粋なプレゼントで、今春卒業する3年生にとっては「引退試合」となった。 カノアはVリーグ女子で福岡県に本拠を置く唯一のチーム。森田亜貴斗監督(42)はこう語る。「地域に支えられて活動をさせていただいている以上、恩返しの思いは常にあります。地域の方々の身近な存在になり、将来のバレーボールを担う子どもたちの憧れになることもカノアの大きな目標です」。今回のエキシビションマッチは、森田監督が親交がある誠修高の髙野英樹監督(49)に話を持ちかけて実現した。 同校はバレーの強豪で知られ、前身の不知火女子高時代には元女子日本代表セッターで12年ロンドン五輪銅メダリストの竹下佳江さん(46)も在籍した。1999年に校名を誠修高に改称後も、2017~20年度の4年間で全日本高校選手権(春高バレー)に福岡代表として3度出場。ただ、ここ数年は福岡工大城東高と福岡女学院高の「2強」に押され気味だ。 昨秋の春高予選は準々決勝で北九州高に敗れた。その後も3年生は部から離れずに、新チームの下級生と一緒にボールを追った。大学で競技を続ける生徒も多いからだ。「カノアさんのご提案は本当にありがたかったです。うちは卒業式で『引退』なんですが、3年生主体で文字通りの『引退試合』にさせていただきました。3年間の頑張りが何らかの形で報われてほしいという思いもありました」と髙野監督は感謝する。 【#OTTOバレー情報】