老後2000万円問題に終止符!結局いくら必要なのか…マネーコンサルタントが警告「退職金を使って絶対にやってはいけないこと」
「退職金を全額投資」は悪手
60歳以降の投資の指針をまとめておきます。「人生100年時代」と呼ばれるようになって久しいですが、日本人は今後も長生きになっていくことは間違いないでしょう。そう考えると、60 代はまだまだ資産形成のフェーズです。健康状態にもよりますが、働けるうちは働いて勤労収入を得るようにしましょう。 定年後の再雇用・再就職では、多くの場合収入が減ってしまいます。しかしそれでも、定年以降、70歳まで働くとしたら、10年間は定期的な収入を得られるので、積立投資ができます。 定年時の退職金を投資に回すのも一案です。ただ、退職金全額を投資に回すことはおすすめしません。退職金を全額注ぎ込んで、大きく値下がりしてしまっては目も当てられないからです。 定年時の預貯金額にもよりますが、たとえば退職金が2000万円あるならば、半分の1000万円は預貯金や個人向け国債などの安全資産で持っておくのがよいでしょう。残りの半分は投資に回してもよいですが、ここでも一括で投資するのではなく、10年かけて毎年100万円ずつ投資するなど、時間の分散を行いましょう。投資は、新NISAの活用を優先的に考えましょう。 70歳以降は、仕事を引退すると勤労収入がなくなるので、新たな投資をすることは難しくなります。そのため、70歳以降は資産の取り崩しフェーズです。 しかし、資産の取り崩しフェーズに入ったからといって、これまで運用してきた資産を一気に取り崩してしまうと、将来的に足りなくなるのではと不安になるかもしれません。そこで、運用しながら資産を取り崩すことを検討します。運用しながら取り崩すことで資産寿命を延ばすことができるからです。 資産をなるべく減らしたくない場合は、資産の一部を配当金や分配金といったインカムゲイン(保有することで得られる利益)が得られる高配当株や連続増配株、高配当株・連続増配株に投資する投資信託やETFなどに替えていくのも一案です。