欧米メディアが錦織の準決敗因を高温多湿とマレー戦の疲労だと指摘
テニスの全米オープンは男子シングルス準決勝が9日(日本時間10日)に行われ、第6シードの錦織圭(26、日清食品)は、第3シードのスタン・ワウリンカ(31、スイス)に6-4、5-7、4-6、2-6で敗れて2年ぶり2度目の同大会決勝進出はならなかった。 欧米の主要メディアは、早速、この試合の解説、分析を報道。多くのメディアは、31度を超えていた高温多湿の試合環境が、勝敗を分けたと理由だと見ていた。。 錦織とワウリンカの前に行ったノバク・ジョコビッチとガエル・モンフィス(6-3、6-2、3-6、6-2でジョコビッチが決勝進出)戦でも、高温多湿が一番の敵だったようで、英国のBBCスポーツは、試合途中天候によるコンディションの変化で、両肩の治療を行わなければならなかったジョコビッチが、「湿気。そればかりを考え、また感じてプレーしなければならなかった」と話したことを伝えた。 この試合では、モンフィスも動きの鈍いプレーを見せ、それがテレビの解説をしていたテニスのレジェンド、ジョン・マッケンロー氏からの批判に繋がった。 本人は「ジョコビッチの早いペースに反撃するための作戦だった」としているが、BBCスポーツは、「暑く、湿気が多かった天候も影響している」と指摘した。 そのあとに行われた錦織とワウリンカの試合でも、テニスで戦う以外の天候が大きな敵となった。最後まで気合いを見せていたワウリンカでさえ、「本当にむしむししていて暑かった。タフな戦いになることはわかっていた」と、試合後感想を語ったほど。 BBCスポーツでは「ワウリンカと錦織の試合も厳しい温度と湿度が残っていたために極限まで疲れさせる一戦となった」と始め、「スイス人選手(ワウリンカ)が頑強ぶりを発揮した」と続けた。さらに「錦織は最初の2セットの大半は、切れがいいように見えた。しかし第2セットの最後にワウリンカにサーブをブレークされてリードを縮められた。日本人選手(である錦織)は、アンディ・マレーに勝った4時間近くに及ぶ(準々決勝)の試合の疲労で苦しんでいるように見えた」と、大金星を挙げたマレー戦の影響を敗因のひとつとして指摘。実際、錦織は試合後、「言い訳になりますけど、(マレーと)5セットやっていなかったら、もうちょっと元気に戦えていた。足が重かった」と、マレー戦の疲労を引きずっていたことを否定しなかった。 ニューヨーク・タイムズ紙は、「困難なスタートを切ったあと、スタン・ワウリンカは全米オープンで初の決勝進出を果たした」という見出しの記事の中で、「ワウリンカと錦織の準決勝には、陰謀が企てられたわけではなかったが、二人の選手が湿気という強敵の中で戦わされた試合だった」とし、準々決勝で世界ランキング2位で優勝候補の最右翼だったマレーを倒した錦織は、「その代価を支払わされているように見えた」と、2日前に大番狂わせを演じた姿から、この日は、一転してしまった様子を伝えた。