欧米メディアが錦織の準決敗因を高温多湿とマレー戦の疲労だと指摘
そして「ワウリンカの勝利の鍵はコンディショニング。この試合に関して言えば、より元気にプレーできたということ」とワウリンカの勝因を挙げ、「苦しかった。第1セットと第2セット、いや最後までずっと苦しんでいた。でもそれを見せないことが大事だということはわかっていた」というワウリンカのコメントを紹介し、「錦織は、湿気により元気を失いはじめた」と結論づけた。 また同記事では、湿気の高さがどれだけのものだったかを表すために、ワウリンカがフォアハンドで打った時にラケットが飛んでいってしまったシーンがあったことを例に挙げた。 「第3セットの途中に雨が降り出して屋根が閉められたが、冷房がかかったために会場内は涼しくなり乾燥してきた」そうで、「それに乗って錦織も3-4から4-4に持ち込む反撃を見せた」という。 だが、同記事は、ワウリンカの粘るプレーに「彼の『このセットを取る』という強い意志が現れていた」と、息を吹き返しかけた錦織をワウリンカが勝利への闘志で突き放した様子を伝えた。 ニューヨークのデイリーニュース紙は、「スタン・ワウリンカは錦織圭を片付け、全米オープンの決勝でのノバク・ジョコビッチとのデートを手に入れた」とした記事中で「錦織は試合中ずっと痙攣と戦っており、エネルギーのレベルを上げることに苦労した」と明らかにした。 ワウリンカは、第2セットから主導権を握り返したが、「錦織はタフな対戦相手。開始からいいプレーをし、試合をコントロールしていた。プレッシャーをかけてきた。私の思うようにプレーさせてもらえなかった」というコメントを紹介。ただ、「ワウリンカは第3セットを得た勢いを第4セットに持ち込み、第4セットの第2ゲームでは錦織からブレークを奪い大きな一撃を与えた。しかし錦織は(1-3)から盛り返し2-3と追い上げた」と疲労に苦しみながらも必死で食らいついた錦織の戦いぶりにも触れた。 ワウリンカは「私は待たなければならなかったし。そして戦わなければならなかった。彼が少し疲れを見せてきた時にアグレッシブに戦った」と語っており、忍耐の末の勝利だったようだ。 マレーを破った金星が、皮肉にも、疲労が回復せずに決勝進出を阻むことになった。試合後の錦織は、「フィジカルが強くなっていると思う」と自信に繋がったことも口にしたが、全米オープンで得た経験は錦織の今後の飛躍のバネになるはずだ。