自転車での「運転中のながらスマホ」 「酒気帯び運転」は“運転者講習”の対象になる?覚えておきたい道路交通法の改正のポイント
運転者講習というと、車のみが対象と思う方もいるでしょう。近年自転車に関するルールが厳しくなる中、普段から自転車に乗る機会が多い方は、道路交通法の改正内容や自転車運転者講習の対象となるケースを知っておくことが大切です。 そこで本記事では、自転車に乗りながらの「ながらスマホ」や「酒気帯び運転」といった行為がどのような扱いを受けるのか、自転車運転者講習の対象行為や道路交通法改正のポイントについて詳しく解説します。 ▼ハンズフリー通話での運転は「違反」になる? ペナルティが発生する場合についても解説
自転車運転者講習制度について
自転車運転者講習制度は、危険な運転を繰り返した自転車利用者に対し、安全運転を学ぶための講習を義務付ける制度で、道路交通法に基づき2015年6月に施行されました。この制度は、重大な事故を防ぎ、自転車利用者の安全意識を高めることを目的としています。 公安委員会が対象者に受講命令を発令した場合、受講対象者は3ヶ月以内の指定された期間内に講習を受ける必要があります。受講時間は3時間、必要な手数料は6000円ですが、万が一受講命令に従わずに講習を受講しない場合には5万円以下の罰金を科せられる可能性があるようです。
どんな場合に自転車運転者講習の対象となるのか?
自転車運転者講習の対象となる条件は、過去3年以内に2回以上の危険行為による違反をした場合です。対象となる行為は全部で16種類ですが、ここではおもな危険行為をいくつか見ていきます。 ・信号無視 ・一時停止無視 ・酒気帯び運転 ・ながらスマホ(安全運転義務違反) ・歩行者妨害 ・ブレーキがない自転車の運転 このほかにも、周囲に危険を及ぼすような運転が対象です。 ながらスマホで交通切符などによる取り締まりを受けてから3年以内に再度ながらスマホで交通切符の取り締まりを受けた場合や、3年以内に交通切符による取り締まりや危険運転が原因の交通事故を2回起こすと自転車運転者講習の対象となります。
道路交通法改正で強化された自転車の安全対策
近年の道路交通法改正では、自転車の安全運転を促進するための規定が強化されました。具体的には次のようなポイントがあげられます。 ・ヘルメット着用の努力義務化 ・保険加入の義務化 これまでの道路交通法の改正で、子どもだけでなく自転車を利用する大人にもヘルメット着用が努力義務として求められるようになりました。 また手軽な移動手段として子どもからお年寄りまで幅広い年代で利用されている自転車ですが、近年自転車事故による高額の損害賠償を命じられる判決事例も多くなっているようです。そのため、自転車事故での賠償責任を考慮し、多くの自治体で賠償責任保険への加入が義務付けられています。 令和6年4月1日時点で、賠償責任保険などへの加入を義務としているのは全国で34都道府県、努力義務としているのは10都道府県、未制定としているのは3県です。保険未加入の場合、事故時の補償が十分に行えないおそれがあるでしょう。
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