昔のサッカーは今ほど戦術が細かくなかった 名将への道を歩むコンパニが語る進化「キャリアを始めた頃はそうではなかった」
監督としてやるべきことは増えている
アンデルレヒトやバーンリーで指導者としての経験を積み、今季よりバイエルンの指揮官に就任したヴァンサン・コンパニ。当初は経験不足を指摘する声もあったが、ここまでバイエルンは超攻撃的なスタイルで良好なスタートを切っている。 選手の頑張りはもちろんだが、コンパニが指導者として引き出しを増やしてきたことが大きいのだろう。コンパニはアンデルレヒトのアカデミーからキャリアを始め、ドイツのハンブルガーSVで経験を積んでからマンチェスター・シティへと移籍した。その中でコンパニは、どんどんサッカーの戦術が深いものになっていったと振り返る。 コンパニが選手キャリアをスタートさせた頃は、今ほど細かい戦術論は存在しなかったからだ。 「コーチングとフットボールは進化を続けるものだ。私がキャリアを始めた頃、戦術に関する情報は今よりもはるかに少なかった。今はどのカテゴリーでも、細かな戦術があるし、自チームの分析と同じくらい対戦相手を分析すべき点も多くある。キャリアを始めた頃はそうではなかったのだが、私が選手キャリアを終える頃くらいにはそうなっていたね。そして我々は常にその限界をもっと押し広げられないか、ピッチに何かを加えられないか考え続けているのだと思う。誰もがそのラインを次の領域へ広げようとしていて、刺激的だよ」(『Bavarian Football Works』より)。 それだけ指導者としてやるべきことが増えたと言うこともでき、現代サッカーでは膨大な準備が必要だ。コンパニの場合はマンCでジョゼップ・グアルディオラのサッカーを経験したことが大きく影響しているはずで、グアルディオラは常に新たな戦術を模索している名将だ。 コンパニもバイエルンでその可能性を探り続けていくはずで、コンパニ流が浸透した時にどんなチームとなっているか楽しみだ。
構成/ザ・ワールド編集部