米国でも高まるウエディングドレスの リセール 需要。老舗ブライダルサロンもリセールeコマースに進出
差別化要因は「審査プロセス」にあり
クラインフェルド・アゲインの最大の差別化要因はその審査プロセスにあるとロススタイン氏は言う。ドレスは購入者に送られる前に、まずクラインフェルドに送られる。ドレスの状態が販売者の説明と一致しているかどうかを同社専任の鑑定士3人のうち1人が審査するためだ。 シャイプ氏も「それがロレックス(Rolex)やどんなスニーカーであれ、正規品であることを保証するのはラグジュアリー業界の常識だ」と強調した。 クラインフェルドは販売手数料は取らず、ドレスがkleinfeldagain.comに掲載されている期間中、販売者に毎月9.95~11.95ドル(約1600~1900円)を請求する。販売者はドレスの価格を自由に設定することができ、さらに追加料金を支払うことでドレスを目立つ場所へ配置したりプロモーションを実施したりすることもできる。 またお直しを考慮して、ドレスのサイズとともに、通常小売店が記録している挙式当時の花嫁のサイズが商品リストに記載される。シャイプ氏によると、このサイトはShopify(ショッピファイ)を活用しており、簡単に利用できるように設計されているという。たとえば販売者は、競合サイトの商品リストへのリンクを貼り付けることでクラインフェルド・アゲインへの出品に必要な項目を自動入力することができる。
花嫁のウエディングドレスに対する認識の変遷
「何年ものあいだ花嫁は自分がドレスを着たあと、いつか娘が同じドレスを着てくれることを願いながらドレスをクリーニングして保管していたものだ」とロススタイン氏は話す。「しかし長年この仕事をしてきたなかで母親のドレスを着た花嫁は3人ほどだった。しかも我々はそのドレスのスタイルに変更を加え、裁断し直し、現代風にアレンジしなければならなかった」。 現在では「素晴らしい写真や動画」が簡単に手に入るようになったおかげで、花嫁は自分が着たドレスを(将来)娘に実際に見てもらうために保管し続けることに対して「あまり投資しなくなっている」と同氏は語った。 それと同時に、すべての花嫁が家族や友人とブライダルサロンをはしごしたりシャンパンを飲みながらランチをしたりするような、伝統的なドレスショッピング体験を夢見ているわけでもなくなっている。 「我々は多くの調査を実施した結果、この市場は自動車市場とよく似ていることを発見した。つまり購入者には2つのタイプがあるということだ。(自動車)ビジネスの大部分を占めるのは認定中古車を購入する顧客であり、それは新車販売には影響を及ぼさない」。 クラインフェルド・アゲインの顧客の大半は予算を超えたドレスを求めている花嫁と、挙式のために新しいドレスを購入する「ラグジュアリー好き」ではあるものの、2度目や3度目の挙式ではもっと手頃なドレスを望む花嫁になることを見込んでいるとシャイプ氏は説明した。