具志堅の持つ大記録に並ぶ女レジェンド
具志堅さんからの電話
女子ボクシングのトリプル世界タイトル戦の調印式並びに計量が2日、後楽園ホールで行われ、WBC女子世界アトム級王者の小関桃(青木)と、挑戦者の同級10位のアンゴー・ワンソンチャイジム(タイ)も揃ってパス。小関は、この試合が13度目の防衛戦で成功すれば、元WBA世界ライトフライ級王者、具志堅用高が作った世界タイトルの13度防衛の日本最多連続防衛記録に並ぶことになる。
具志堅さんからの電話
実は、数日前に、小関は、そのレジェンド、具志堅氏と電話で話をした。大会パンフレットへの協力のお礼を青木ジムの有吉会長が直接、具志堅氏にした際に、電話を代わってもらったのだ。 「私は、《おまえみたいなのが俺の記録に並ぶのか》と怒っていらっしゃると思っていたんです。でも、そんなことは全然なくて、逆に『記録を作れ!』励ましていただき、ホッとしたし勇気も出ました。これは何度も言っていますが、具志堅さんが作った記録と私の記録とは別ものだと考えています」 小関は、以前、「レベルや選手層が違う具志堅さんとの記録と比べることは失礼だ。私は、女子の記録としてこだわっていきたい」と持論を展開していた。それでも周囲は、『女・具志堅』という取り上げ方をする。 それは小関にとって無言のプレッシャーになっていた。 青木ジムの有吉会長も「偉大な具志堅さんの記録に並ぶなんて、僕も桃も、本当に思っていないのです。でも、周囲に、いつもその話題を持ち出される桃にとっては、直接、具志堅さんと話ができたことで、つっかえていたものがなくなったのではないでしょうか」と言う。 V13戦に向けてのスパーリングは、前回に続き、男子のミニマム級の選手を中心に100ラウンドを積んだ。挑戦者の17歳のタイ人は世界初挑戦だが、10歳からムエタイを始め70戦以上を戦っている猛女。プロ経験は5戦しかなく記者会見では、緊張のあまりキョロキョロしていて、小関は「私に似ていると思った」と言うが、パンチ力があって、タイ事情に詳しい有吉会長は「ああいう選手こそ、リングに上がってゴングが鳴ると集中力が生まれて怖い。ただ経験が少ないので後半の接戦になれば有利に運べるはず」と展開を考えている。